スタンフォード大学が家族介護を支える新プログラム『Caregiver TLC Japan』開始

スタンフォード大学発・家族介護者支援プログラム『Caregiver TLC Japan』

近年、日本の高齢化は急激に進んでおり、2040年には認知症患者が584万人に達する見込みです。このような背景を受けて、スタンフォード大学とノースカロライナ大学の教授陣が中心となり、家族介護者を支援する『Caregiver TLC Japan』という新たなプログラムの制作が始まりました。これは、家族介護者を支えるための初の試みであり、日本独自の文化や制度に配慮したカウンセリングプログラムを提供することを目指しています。

家族介護者の現状と課題

日本では、介護の担い手となる職員が急激に減少しており、2023年には初めてその人数が減少しました。そのため、今後57万人の介護職員が必要とされる状況です。特に、認知症などの病を持つ家族を介護することが多く、家族介護者（インフォーマル・ケアギバー）の負担は非常に大きくなっています。しかし、日本には家族介護者を具体的に支える制度やサービスが非常に限られています。その結果、精神的・身体的な負担が深刻な社会問題となっています。

プログラム『Caregiver TLC Program』の概要

このプログラムはスタンフォード大学の名誉教授、ドロレス・ギャラガー氏によって開発された内容に基づいています。これは認知行動療法を基とするカウンセリングプログラムであり、明確な目的として、家族介護者のストレスを軽減し、彼らが抱える課題への対処方法を学べることを目指しています。制作期間は2025年6月から12月を予定していますが、必要に応じて延長する可能性もあります。特に、日本的な文化や社会背景を考慮した内容へ再設計される点が重要です。

資金調達の必要性

このプログラムを実現するには、最大で1,300万円の費用が見込まれています。そのため、一部の資金をクラウドファンディングを通じて募っています。将来的には、このプログラムを企業向けの福利厚生サービスや、地域の認知症カフェなどでの導入も計画しています。これにより、幅広い層の家族介護者に対するサポートを提供することができると期待されています。