道路舗装業界の脱炭素への取り組み
最近、カーボンニュートラルの実現が求められる中、道路舗装業界においてもその流れは同様です。佐賀県に本社を置く田中鉄工株式会社は、業界全体での脱炭素社会実現を目指し、特にサプライチェーン全体を巻き込んだ取り組みを進めています。
2024年9月25日、ホテル日航福岡において「脱炭素社会の実現に向けた共有会」が開催され、184社から301名もの方々が参加しました。この会議では、環境省や経済産業省が焦点を当てる脱炭素経営の重要性、さらに地域としての取り組みについて、さまざまな視点から意見が交わされました。
脱炭素経営の現状と方向性
この共有会では、まず環境省の九州地方環境事務所からの講演があり、脱炭素経営に関する具体的な政策と取り組みが紹介されました。上迫様によると、地球温暖化が進む中で、さまざまな中小企業が脱炭素経営を通じて新たなビジネスチャンスを得ている事例が多く見られるとのこと。脱炭素は単なる環境対策ではなく、競争力に直結する重要な要素であることが強調されました。
次に、経済産業省からは九州のリーダーシップが強調され、特に再生可能エネルギーの導入が進んでいる現状が報告されました。企業は脱炭素経営を進めることで、地域全体の持続可能な成長にも寄与できるといいます。
グリーンサプライチェーンへの呼びかけ
田中鉄工のサステナブル戦略室、陣内室長はカーボンニュートラルへの対応を企業の業績に結びつける重要性について語りました。陣内氏は、まずは自社や取引先のCO2排出量を把握することが、脱炭素経営の第一歩であり、これが将来的には企業のブランディングへと影響する可能性があると指摘しました。彼は「カーボンニュートラルは人類の最大のリスクヘッジである」とし、業界全体で協力する必要性を訴えました。
グリーン人材の育成
最終的には、株式会社宣伝会議の番匠氏から、脱炭素推進企業に必須となるグリーンジョブ人材の育成についての講演がありました。特に、EUなど先進国では、カーボンニュートラルに非協力的な企業が淘汰されつつある現状を踏まえ、持続可能な生産プロセスを推進できる人材の育成が急務であると強調されました。
田中鉄工は、今後も道路舗装業界のカーボンニュートラル実現に向けて、サプライチェーンの様々な関係者と手を組んで取り組んでいく所存です。持続可能な成長を目指す中で、業界全体の未来を見据えた行動が求められています。これからの取り組みに注目が集まります。