川上産業が誇る環境配慮商品、グッドデザイン賞受賞
2025年度グッドデザイン賞を受賞したのは、川上産業株式会社が製造した2つの新しい環境配慮商品、「エコリアルボード 容器包装リサイクルタイプ」と「アルミプチ 施工特化タイプ」です。この受賞は、同社の製品がいかに革新的で社会に貢献しているかを示す重要な評価であり、持続可能な未来に向けた大きな一歩となっています。
エコリアルボード 容器包装リサイクルタイプ
「エコリアルボード 容器包装リサイクルタイプ」は、家庭から排出される使用済みプラスチック(PCR材)を主原料として利用した軽量剛性板です。これにより、廃棄物を新たな資源として再生する試みは、リサイクル業界の中でも特に難しいとされていた課題を克服した製品とされています。従来のプラダン業界では、このようなPCR材を使用した製品化が難しいとされてきましたが、川上産業はリサイクル技術や製造技術の革新を通じてこれを実現しました。
この取り組みは、単なるリサイクルを超え、リサイクルと製造との連携を強化することで、循環型社会の実現に寄与するものです。物流や引越し業界をはじめ、さまざまな用途で活躍が期待されています。
デザイナーたちの創意工夫も評価されており、リサイクル事業部門の坂本伸一氏や商品開発部の森島敏之氏は、優れたデザインと機能性を兼ね備えたこの商品を生み出しました。グッドデザイン賞審査委員からは、この製品が新しい材料加工法により市場を前進させる可能性を秘めているとの評価が寄せられています。
アルミプチ 施工特化タイプ
次に紹介する「アルミプチ 施工特化タイプ」は、近年の猛暑対策として開発された気泡遮熱断熱シートです。この製品は、施工性に優れた設計が施されており、作業の効率性や安全性を大いに向上させています。同社のアルミ箔を用いた新しい構造と素材配合により、薄く軽量でありながら高い遮熱性を誇ります。
特に、赤外線ランプを使った温度実験では、未施工の状態で75℃に達する表面温度が、施工後には35℃にまで下がる効果が確認されており、その性能の高さが立証されています。この遮熱性の向上が、猛暑の環境下で快適な作業空間を提供することを可能にしました。
この商品の開発にあたっては、商品開発部の角井大士氏と営業部の森田桂輔氏が関わっており、彼らのイノベーションと徹底した市場調査の結果がこの成果を生み出しました。
環境問題への取り組み
川上産業は、今回の受賞を契機に両製品の販売拡大に努めるとともに、プラスチックのリサイクルや環境問題への取り組みをさらに強化する方針です。同社は、日々の業務を通じて社会のさまざまな課題を解決する意義を感じており、環境に優しい製品の提供を通じて、持続可能な未来に貢献することを目指しています。
グッドデザイン賞とは
1957年に創設されたグッドデザイン賞は、日本におけるデザインの評価・プロモーションを目的とした制度であり、毎年多くの企業と団体が受賞を目指して参加しています。この賞は、暮らしの質を向上させることを目指しており、受賞した製品にはその証として「Gマーク」が付与されます。
川上産業の両製品が持つ環境配慮とその優れたデザインは、今後の産業界における新たなスタンダードとなるでしょう。次世代の技術とデザインが結実したこの受賞を、未来に向けたさらなる飛躍の象徴とすることが期待されます。