北区の海洋学習プログラムが始動
2025年より東京都北区とコラボレーションし、「海とのつながりを実感する」をテーマにした海洋学習・体験プログラムが提供されることとなりました。このプロジェクトは、一般社団法人次世代価値コンソーシアムが企画し、運営するお出かけ情報サイト「いこーよ」を通じて実施されます。
第1弾は漁港での実体験
プロジェクトの初回イベントとして、2025年5月16日に北区立赤羽小学校と岩淵小学校の5年生約120名が千葉県の保田漁港で『漁港のお仕事体験プログラム』に参加しました。学生たちは漁業の基本的な知識を学び、実際に漁に出ることで普段目にすることができない漁港の仕事を体験しました。ドキドキしながら漁港に向かう子どもたちの表情は期待であふれていました。
珍しい魚との出会い
当日は、イワシやクロダイ、タチウオなどが水揚げされ、さらにアオザメやマンボウといった珍しい魚も捕獲されるなど、まさに学びと驚きの体験となりました。子どもたちは実際に触れることで魚の生態について遊び感覚で学ぶことができ、興味を深める良い機会となったのです。
漁港の方とのインタビュー
特に印象的だったのは、漁港で働く人々に直接インタビューを行う時間でした。保田漁業協同組合の鈴木淳さんが仕事の内容や、漁港でよく捕れる魚について子どもたちに説明する中、次々と質問が飛び出しました。「保田漁港でよく獲れる魚は何ですか?」「仕事をする際に最も大変なことは何ですか?」といった率直な質問に対し、鈴木さんは丁寧に答えてくれました。このインタビューを通じて、子どもたちは魚がどのようにして自分たちの食卓に届くのか、様々なプロセスを体感することができました。
教育者の評価
参加した学校の校長先生方も、この体験プログラムに非常に期待を寄せていました。赤羽小学校の淵脇泰校長は、「魚に直接触れたり、漁港の方と話をすることで得た体験が、児童にとって非常に貴重であった」と述べ、岩淵小学校の荒木克之校長も「海に来ているからこそできる特別な体験で、子どもたちにとって大きな学びの場であった」と、その意義を強調しました。
次世代に向けた海洋教育
この「海洋学習・体験提供プロジェクト」は、子どもたちに海の重要性を理解させ、豊かで美しい海を次世代に受け継ぐことを目的としているのです。日本は島国であるにもかかわらず、海との接点が減少しているとされ、特に都市部ではこの状況の改善が急務です。
私たちの生活に密接に関わる海の知識を深め、実体験を通じてその大切さを認識することは、未来を担う子どもたちにとって非常に重要なことです。今後もこのような取り組みが広がり、海の教育がより多くの人々の中に浸透していくことが期待されます。
今後の実施予定
このプロジェクトは2025年まで続く予定で、東京都内の他の自治体とも連携し、海洋学習・体験の機会を広げていく計画があります。これを通じて、次世代の子どもたちが海の大切さを理解し、海をもっと身近に感じることができることを目指しています。特に、今後は他の地域でもこのようなプログラムが展開されることを期待したいです。海との接点が少なくなりつつある現代において、こうした取り組みが子どもたちの未来を切り拓く一助となることを願ってやみません。