日本企業の電子廃棄物問題
2020-11-27 11:00:06
日本企業の電子廃棄物問題:パンデミックが引き起こした新たな課題と取り組み
日本企業の電子廃棄物問題:パンデミックが引き起こした新たな課題と取り組み
新型コロナウイルスの影響で多くの企業がリモートワークに移行し、IT機器の購入が急増しています。この変化は利便性をもたらした一方で、企業が直面する新たな問題、すなわち電子廃棄物(Eウェイスト)の増加を招いています。特に日本では、その半数以上の企業がこの問題に対処する姿勢を見せています。
BlanccoとColeman Parkesが共同で実施した調査「The Rising Tide of E-waste」では、日本企業の大半がCOVID-19パンデミックによって増加した電子廃棄物の問題を真剣に受け止めており、対策を講じる動きが見られることが明らかになりました。この調査によれば、54%の企業が電子廃棄物ポリシーを新たに導入し、48%がコンプライアンスを確保するための役職を設けていることが分かっています。
電子廃棄物はもはや特定の国や地域に限った問題ではなく、世界的な環境課題として急速に重要視されています。2019年には、5230万メートルトン以上の電子廃棄物が発生したと報告されています。リモートワークの普及に伴い新しいデバイスが増え、その結果、データの管理やセキュリティに対する懸念も増加しました。
調査結果では、日本では98%の企業がオフィスからホームオフィスに移行する際にノートパソコンを購入し、その79%が新品を選んでいることがわかりました。このように、リモート環境に適応するための投資が進む一方で、81%の企業が「COVID-19はテクノロジーへの不必要な短期投資を引き起こし、保存データのリスクを高める」と考えていることも示されています。これは、新しいデバイスから廃棄に至るまで、安全なデータ管理の重要性を認識していることを反映しています。
しかし、使用済みデバイスに関するポリシーがある企業の中で、周知や実施が不十分なケースが目立つという調査結果もあります。40%の企業がそのようなポリシーを有しているものの、約半数は実効性を欠いているのが現状です。
Blancco Technology GroupのAPAC担当ディレクター、森田将幸氏は、「パンデミックによるテクノロジー投資の急増は、電子廃棄物管理や安全なデータ管理において明確な課題を生じさせています。」と述べ、企業が新デバイスの廃棄時にどのようにデータを取り扱うかの重要性について言及しました。
さらに、企業にはデータ消去やデバイス管理の戦略を見直す必要性があります。調査によれば、日本企業の94%が、「パンデミック中に従業員のデバイスの適切な管理と廃棄の重要性を考慮すべき」と応答しています。これは、企業が電子廃棄物問題に真剣に向き合う姿勢を示すものです。
結果的に、次のステップとしてデータ消去や物理的なデバイス破壊の取り組みを推進することが求められています。調査において、日本企業の36%が使用済み機器の物理的な破壊を行い、その80%が環境への配慮から実施していると回答しています。また、29%がノートパソコンのデータを消去して社内で再利用すると答えています。
このように、企業が電子廃棄物問題に対処するための取り組みを進めることは、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となります。調査データからも見て取れるように、日本企業はすでに電子廃棄物ポリシーの導入やデータ管理の改善に取り組んでいるものの、今後はさらにその実効性を高める必要があります。それにより、環境への負荷を軽減し、企業の社会的責任を果たすことが求められています。電子廃棄物問題は、企業の持続可能性の観点からも重要な課題であり、今後の展望に注目が集まります。
この調査の詳細は、「The Rising Tide of E-waste」レポートに掲載されています。
会社情報
- 会社名
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Blancco Technology Group Plc
- 住所
- Stansted Business Centre Parsonage Road, Takeley Essex, CM22 6PU United Kingdom
- 電話番号
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