近年、さまざまな地域での再生事業が注目を集める中、兵庫県丹波篠山において新たな協業が始動します。老舗の黒豆卸業者である小田垣商店が、古民家再生を手掛ける株式会社NOTEとの連携を発表しました。この事業は、地域の歴史や文化を次世代に継承しつつ、持続可能なまちづくりを目指すものです。具体的には、2025年5月に開業予定の一棟貸し宿「豆家」を中心に、両者の強みを生かした送客連携や体験プランを共同で開発します。
安定した基盤を持つ老舗と革新を追求する企業
小田垣商店は1734年に創業し、国登録有形文化財に指定されている店舗内の歴史的建物を活用して、カフェや宿泊施設の運営を行っています。特に、黒豆を単なる農産物としてではなく、地域文化の象徴として位置づけ、その魅力を発信することに力を入れています。
一方、NOTEは2015年に「篠山城下町ホテル NIPPONIA」を開業し、全国の古民家を再生して、地域の文化や暮らしに触れる旅を提案しています。これまでに34の地域で「NIPPONIA」モデルを展開し、広がりを見せているのが特徴です。今回の連携により、歴史と文化を大切にしながらも、新しい体験を提供することで、地域の活性化を図ります。
「WITH NIPPONIA」とは?
このプロジェクトの一環として新たに設けられた認証制度「WITH NIPPONIA」は、歴史的資源を活用する際に一定の基準を満たした施設を認証する仕組みです。小田垣商店の「豆家」はその第1号として認定され、これから全国的にその価値を伝えていくことが期待されています。また、地域内の企業と連携し、多様な体験プログラムを共同で提供することもその特徴です。
具体的な連携内容
この連携における具体的な取り組みとしては、NIPPONIAブランドと連携した情報発信や客引きを行い、宿泊者には地域特有の体験、例えば「黒豆選別体験」といったプログラムを提供します。さらに、周辺の魅力をつなげた体験型宿泊プランを開発することで、より深く地域を知ってもらうことを目指します。
記者発表会のご案内
この新たな連携の詳細は、2026年1月19日に開催される記者発表会で説明されます。当日は「豆家」の施設見学に加え、黒豆選別工場の見学も予定されています。地域の魅力を体験できる良い機会となることでしょう。
地域の歴史や文化を大切にしながら、新たな価値を創造するこの試みが、丹波篠山の未来をどのように切り拓いていくのか、楽しみです。