足利銀行が新たに導入した不正検知サービスの概要
株式会社足利銀行が、地方銀行としては初めて業界横断の顔画像を用いた不正検知サービス「LIQUID Shield」を導入しました。このサービスは、特に口座開設の際に用いられる本人確認データの安全性向上を目的としています。銀行は、インターネットを介して行われる非対面受付がメインとなる現在のトレンドに対応する形で、この新しい不正検知システムを取り入れました。
「LIQUID Shield」の仕組み
「LIQUID Shield」は、約3000万件の共通データベースを基に、顧客の顔画像や本人確認情報をリアルタイムで監視します。この技術により、例えば同じ顔画像で氏名や生年月日が異なる場合など、従来の方法では発見できない不正を検知することが可能です。最近、金融機関を目指すサイバー犯罪者の手口はますます巧妙化しており、そのため不正検知数は前年比で約2倍に増加しています。
この不正検知サービスは、取引におけるリスクを軽減し、顧客に安全な金融環境を提供することを目指しています。足利銀行では、このサービスの導入により不正口座開設のリスクを抑制し、顧客の信頼を高めることを期待しています。
足利銀行の取り組み
足利銀行はこれまでにもeKYC(電子的本人確認)を導入し、非対面での口座開設を進めてきました。管理者である清水和幸取締役頭取は、「LIQUID Shield」導入の目的は、サイバー犯罪が年々高度化している中で、安全な金融サービスを提供するためであると強調しています。
試験導入においても実際に不正に関する事例が確認されており、この業界横断的なアプローチが今後の不正対策において非常に重要であると述べています。
「LIQUID Shield」の特許と今後の展望
「LIQUID Shield」は特許第7542076号を取得しており、過去の本人確認データと照合し、虚偽の疑いのある申請を特定することに特化したシステムです。このシステムによって、2025年3月末までに累計で1万件を超える不正が発見される見通しです。
株式会社Liquidの代表取締役である長谷川敬起氏は、さまざまな業界との連携を持ちながら、生体情報を活用した安全で便利な社会の実現を目指しています。今後、足利銀行においても「LIQUID Shield」を通じて、他の金融機関との連携が進むことで、より一層強化された不正検知の体制が構築されてゆくことでしょう。
多様なサービスとセキュリティの両立
足利銀行は、利便性とセキュリティの両面を追求し、顧客に対して様々な安全な金融サービスを提供するための取り組みを続けていく考えです。サイバーセキュリティの課題が常に存在する中で、銀行の役割はますます重要になっています。「LIQUID Shield」の導入により、今後の金融界での不正リスクが軽減されることに期待が寄せられています。