映画『発酵する民』がもたらす新たな視点
人間の生活と微生物の関係を考えさせるドキュメンタリー映画『発酵する民』が、2023年7月10日から全国で公開されます。この作品は、東日本大震災や原発事故を背景に、鎌倉の女性たちが結成した「イマジン盆踊り部」に7年間密着した内容です。彼女たちの日常の中から生まれる歌や踊りを通じて、発酵の力を改めて見つめ直し、微生物との共生について深く考える機会を提供します。
映画の背景
映画の舞台は、海と山に囲まれた美しい鎌倉。2011年、これらの女性たちは「脱原発パレード」に参加しありのままの声を発信するための集団を結成しました。彼女たちの活動は、日常生活での思いや経験を歌にして表現することから始まります。さらに、発酵に関連するさまざまな文化を掘り下げることで、人と微生物がどのように影響し合っているのかを探求します。
取り上げられるタテーマ
映画中には、酒や味噌、パンづくりに関する思想が織り交ぜられています。特に「発酵盆唄」は、日々の生活に密着したメッセージを持つ作品で、これを通じて地域の文化や伝統がどのように受け継がれているのかも描かれています。また、塩を作るために海水を汲み、薪で火を焚く「塩炊きまつり」なども取り上げられ、地元の人々とのコミュニケーションや結びつきの大切さが強調されています。
映画の見どころ
『発酵する民』は、鎌倉や葉山で活動するユーモアあふれる抵抗者たちの姿を描くと同時に、広い視点から人間だけでなく微生物の存在にも耳を傾けます。マクロな視点で見る「地球暦」と、ミクロな視点での「発酵」が交差し、観客にも思索の余地を残します。この映画では、混沌と優しさが共存していることを伝え、さらにはポジティブなメッセージが感じられます。
これまでの反響
映画は東京ドキュメンタリー映画祭においても上映され、昨年11月に鎌倉の川喜多映画記念館で企画された5回の上映は全て満席となるなど、多くの注目を集めています。コロナ禍においてもその人気は衰えず、今後は渋谷のユーロスペースを皮切りに、8月14日からは横浜のシネマ・ジャック&ベティでも上映される予定です。文化や環境に対する関心が高まる中で、この映画は必見の作品となるでしょう。
最後に
公式サイトでは、映画製作に関わった人々のコメントや映画批評も公開されており、さまざまな視点から作品を楽しむことができます。『発酵する民』は、私たちの生活と深く結びついた微生物の存在を再認識させてくれる重要な作品です。これをきっかけに、私たちもまた「発酵」の力に注目してみてはいかがでしょうか。
映画『発酵する民』公式サイト