法政大学における特別講義
2025年12月17日、法政大学法学部国際政治学科の「外交総合講座」において、一般社団法人グラミン日本の理事長、百野公裕が特別講義を行いました。テーマは「日本の子どもの貧困連鎖を断ち切る~未来を自分たちが変えていく~」で、学生たちとのワークショップを交えた内容が展開されました。
講義依頼の背景
この特別講義は、本多美樹教授が担当する「外交総合講座」の一環として実施されました。この講座では、政府や民間企業、NGOなどが地域や国を越えた貧困問題や経済格差にどのように取り組んでいるかについて学びます。特に、SDGsの最初の目標である「貧困」に対して、グラミン日本がどのように具体的なアプローチをしているのか、百野の生の声を通じて学生たちに実践的な知見を伝えることが期待されました。
講義の内容:見えない貧困と「応援」の方法
講義では、日本における「見えない貧困」の実態に焦点を当て、学生たちとの対話を通じてグラミン日本の取り組みを紹介しました。学生たちは、視覚では捉えきれない貧困の現状やそれに対する具体的な支援の形について学び、様々な意見や感想を述べました。
学生の反響:支援から応援へ
受講した学生たちからは、貧困への理解が深まったという声がたくさん寄せられました。「困窮する人々を、単なる弱者としてではなく、社会をより良くするパートナーと捉えることができた」「『助ける』という言葉ではなく、『応援』という言葉が印象に残った」という意見が多く見られました。さらには、「美容師や保育士といった身近な職業にも貧困の影が潜んでいることを知った」との声もあり、学生たちは自分自身の未来に対する危機感を抱き始めたようです。
一方で、講義中には「男性や引きこもりに対する支援はどうなっているのか?」という鋭い質問も上がり、講義に参加した全員にとって深い学びの場となりました。
未来への展望:若者と共に切り拓く
講義を通じて、多くの学生が日本の貧困問題を単なる経済的なデータではなく、「尊厳」や「可能性」の問題として捉えられるようになったことが印象的でした。グラミン日本は、これからもこのような機会を通じて次世代の若者たちと共に「当事者の姿を社会に届け」、彼らが未来の希望の光となるよう努めていきたいと考えています。
外交総合講座のインストラクション
本講座は、政府や国際機関、民間企業等がどのように国際問題に取り組み、解決策を探るのかを検証するために設立されました。各回に異なるゲストスピーカーを招き、多角的な視点から国際的な課題に対する理解を深めます。
グラミン日本について
グラミン日本は、ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行をモデルに、2018年に設立されました。生活困窮者へのマイクロファイナンスを提供し、特に女性のための起業支援を行っています。私たちは、誰もが活き活きとした社会に参加できるよう、今後も支援を続けることに全力を尽くします。中でも特に貧困問題の解決に向け、次世代に貢献し続ける活動を展開する所存です。