人気を集める新書「伊藤忠商人の心得」とは
2023年に入っても、就職活動を行う大学生の間で「伊藤忠商事」が人気を集めている。そんな背景には、同社の成功のメガストーリーを詳述した新書『伊藤忠商人の心得』がある。この本は、初版からたった1年で累計3万部以上の販売を誇るロングセラーとして注目されており、著者の野地秩嘉氏が伊藤忠商事に密着し、経営者との対話を重ねた成果をもとに描かれている。
伊藤忠商事の躍進の理由
伊藤忠商事は、かつては業界内で「4位」とされていたが、2021年には純利益、株価、時価総額の3つの指標で業界トップに躍進した。この劇的な変化の根底には、創業以来引き継がれてきた「商人の言葉」がある。この言葉には、「商人は水」「三方よし」「商売は損得だけではない」といったユニークな教えが含まれており、社員全員が共感し、実践している点が特筆される。
注目の「朝型勤務」制度
本書では、いくつもの新しい施策が取り上げられているが、特に「朝型勤務制度」が印象的だ。この制度では、会社の残業が原則禁止されている一方で、時間外の業務は朝に行うことが推奨されている。朝型勤務を選択することで、通常の1.5倍の時間給が支払われ、実質的に働いた時間以上の報酬を得ることが可能だ。加えて、午前8時前の出社では、地下にあるファミリーマートからおにぎりや飲み物を無料で提供される。結果として、残業の削減やタクシー利用の減少、光熱費の節約といった効率的な経営が実現されている。
経営者・岡藤氏のライフスタイル
岡藤正広CEOのライフスタイルも本書の魅力の一つだ。毎朝5時半に出社し、昼食にはファミリーマートの弁当を15分で食べるとされる。また、仕事を午前中に終え、午後は外食のために帰宅するというスタイルを貫いている。このようなシンプルで効率的な働き方は、同社の文化や価値観が基盤になっていると考えられる。
最新の成長企業の秘密
本書は企業取材に定評のあるノンフィクションライターの野地氏によって書かれており、企業文化や成長の背景を詳細に掘り下げている。岡藤CEOに関するインタビューや、彼が掲げるビジョン、さらには企業が大切にする「商人道」の本質が描かれている。
この書籍を通じて、読者は伊藤忠商事という企業がどのようにして現在の地位を築いたのか、その背後にある哲学や文化志向を知ることができる。成功した企業のメソッドや人材育成の方法が多くの学びを与えてくれるだろう。
書籍の基本情報
著者は1957年生まれで、早稲田大学商学部を卒業後、美術展のプロデューサーという経歴を経て、ノンフィクション作家としての道を歩んできた。人とビジネスに関する著作が多く、伊藤忠商事に関する知識はこの本で深まるはずだ。
この機会に、伊藤忠商事の成功の秘密に直に触れてみてはいかがだろうか。