高輪ビルマンション建替プロジェクトが始動
2023年11月2日、東京都港区で「高輪ビルマンション建替組合」が設立され、地上権マンションから所有権マンションへの建替えが正式にスタートしました。このプロジェクトは、日鉄興和不動産株式会社や一般財団法人首都圏不燃建築公社が協力する形で進められており、複雑な権利関係を整理しつつ、新たな住環境の整備を目指します。
プロジェクトの背景
「高輪ビル」は、1967年に竣工した地上12階建てのSRC構造のマンションで、当初は住居と事務所、店舗が併設されていました。しかし、長年の使用により建物の老朽化と漏水事故が頻発し、耐震性が非常に低いと診断されたことから、再生の必要性が高まりました。2015年には耐震診断が行われ、重大な安全リスクが指摘されたこともあり、区分所有者の合意のもと、建替えに向けた検討が始まることとなりました。
2015年からは、マンションの再生に向けた幅広い調査が開始され、管理組合は日鉄興和不動産と共に修繕と建替えの両方の方針を検討。その過程で、新たに建設されるマンションに期待が寄せられるようになり、2024年2月には建替え決議が可決されるに至りました。
建替えの特長
今回の建替えプロジェクトの主な特徴は、地上権マンションと隣接する土地を統合し、所有権への権利変換を実現することです。この構想のもと、建替組合は訴求力のある協議を経て、権利関係を整理する方針を打ち出しました。この手法により、権利者の金銭的負担を軽減しつつ、円滑な合意形成を図ることが可能となっています。
また、プロジェクトは地域に対する貢献も視野に入れており、建替え後には地域の防災対策として、災害時に使用できるマンホールトイレや防災倉庫の設置が計画されています。これにより、災害時の安全性が高まり、地域住民の安心感も向上することが期待されています。
建替え事業の概要
この建替えプロジェクトでは、東京都港区高輪一丁目701-10他を所在地とし、交通アクセスとして東京メトロ南北線・都営三田線の「白金高輪」駅から徒歩3分という利便性も有しています。新しい建物は、18階建てで総戸数115戸が予定されています。
従来の建物はその約1.5倍の延床面積11,190㎡になる見込みで、住戸数も倍増し、より多くの人々が快適に生活できる環境が整備される予定です。
おわりに
高輪ビルマンション建替組合は、地域に根ざしたプロジェクトであると同時に、住民や関係者との熱心な対話と合意形成を大切にしながら進行していく姿勢を持っています。今後の進捗に注目が集まる中、より良い住環境の実現に向けた挑戦が始まっています。