山三酒造が再始動
2023-02-15 10:00:01

歴史を紡ぐ新たな挑戦 - 山三酒造が再始動し、世界へ赴く

山三酒造の新たな挑戦



1867年に創業した山三酒造は、長野県上田市に位置し、真田家の家紋を象徴とする『真田六文銭』を冠した地酒を生産してきた由緒ある酒蔵です。これまで多くの人々に愛されてきた日本酒ですが、近年は作り手の高齢化と設備の老朽化により、実質的に休蔵状態となっていました。これに対し、信州佐久市出身の荻原慎司氏が、酒蔵の精神と歴史を大切にひき継ぎ、2023年2月から再スタートを図ることを決意したのです。

荻原氏は、故郷の150年以上の伝統を守るために、IT業界から酒造業へと転身しました。彼は「酒造りを通じて世界に通じる仕事がしたい」という強い願いを持ち、次世代の日本酒文化を作り出すための挑戦へと踏み出しました。彼が代表取締役として就任した後、山三酒造はこれまでの伝統を守りつつも、新しい時代へ向けた酒造りの刷新を行っていきます。

新たな杜氏の招聘と設備の一新



再生を果たすにあたり、山三酒造は38歳の若き杜氏、栗原由貴氏を迎え入れました。栗原氏は福岡県久留米市出身で、京都の「ハクレイ酒造」で7年間の経験を持ち、2019年からは製造主任として活躍してきました。

彼は酒造りにおける新たな視点を持ち寄り、伝統的な工程を重視しつつ、麦と水の調和を図った製造方法へとシフトします。特に、麹造りの重要性を強調し、品質の高い酒を生み出すために、製麹の設備を一新。機械式から箱麹製法への転換を行い、自然通風による製造法に移行しました。また、大型タンクによる製造から、サーマルタンクでの仕込みへと変更することで、微細な変化に対応しやすくなっています。

さらに、冷蔵設備を強化し、温度管理を最適化することで、フレッシュさを保ちながら、吟味された酒を製造する体制が整いました。

自然環境に恵まれた酒蔵



山三酒造は、四方を山に囲まれた恵まれた自然環境の中にあります。この上田の地に流れる清らかな千曲川と、地元で育てられたこだわりの米を使い、究極の日本酒を追求しています。地域の風土に根ざした酒造りを行うことで、新たな日本酒のスタイルを確立し、将来的には海外への販路拡大を目指しています。

山三酒造の未来



荻原氏と栗原氏は、山三酒造の伝統を重んじる一方で、現代のニーズに応えた革新的な取り組みを行っています。「山三酒造」という名は、先代が守り続けた精神を引き継ぎながら、これからの時代に向けた新たな価値を創造していく所存です。これからの山三酒造に期待が高まります。

新たな道を歩み始めた山三酒造は、伝統と革新の融合を進めることで、世界に誇れる地酒を生み出していくことでしょう。地域に根ざした酒造りの精神を受け継ぎ、これからの日本酒文化の発展に貢献していくことを期待したいです。

会社情報

会社名
山三酒造株式会社
住所
長野県上田市御獄堂687-1
電話番号
0268-42-2260

トピックス(グルメ)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。