脱炭素社会実現に向けた新国民運動「デコ活」とは
株式会社電力シェアリング(本社:東京都品川区)は、脱炭素社会の実現に向けた新たな国民運動「デコ活」を推進しています。この取り組みは、国民が自発的にCO₂排出量ゼロを選択できる環境を整えるためのナッジ実証を、環境省の委託で実施しています。
「デコ活」とは?
「デコ活」は、脱炭素(Decarbonization)と環境にやさしいエコ(Eco)を掛け合わせた新しい言葉です。この運動は、私たちの生活に豊かさをもたらしながら、同時に地球環境にも配慮することを目的としています。例えば、マイカーの利用を控えて徒歩や自転車にシフトすることで、二酸化炭素の排出を削減しようという取り組みです。
現状の問題点
2022年度、日本国民の一人当たりのCO2排出量は年間約1,838kgで、その中でもマイカーに起因する排出量は大きな割合を占めています。政府の第六次環境基本計画では、この排出量の削減に向けた取り組みが強調されており、特に持続可能な地域公共交通の整備や中心市街地の活性化が求められています。
ナッジを活用した取り組み
環境省は、市民の自発的な参加を促すため、ナッジやブーストといった行動科学の知見を取り入れた政策を検証しています。このモデルに基づいて、株式会社電力シェアリングは、独自に開発したiPhoneアプリを用いて様々な手法を取り入れた実証実験を行っています。このアプリによって、自家用車の利用を控え、徒歩や自転車への移行を促進することが目的です。
移動によるCO2排出量削減のための手法
実際にCO2排出量を削減するためには、以下の3つのアプローチがあります。
1. 車両の走行距離1km当たりのCO2排出量を削減
- 具体的には燃費を向上させたり、EV(電気自動車)やFCV(水素自動車)を使用することが挙げられます。
2. 車両の総台数を減少させる
- 例えば、ライドシェアや公共交通機関の利用促進を通じて、利用者の人数を増やすことが重要です。
3. 車両の走行距離を短縮
- 近隣での用事を済ませることで、マイカーの利用頻度を下げることができます。
地域での実証に向けた取組
具体的な実証が行われているのは、長野県塩尻市や和歌山県那智勝浦町色川地区などで、住民同士のシェアライドを促進する取り組みや、公共交通機関へのモダルシフトの実験が行われています。特に、那智勝浦町では36世帯の住民が相互に助け合う形で、マッチングアプリを使用した実証が行われ、効果的な結果が得られています。
実証実験の結果と課題
実際に行われた全国モニターを対象とした実験では、自家用車の利用回数をAI予測し、何らかの介入後にその利用を減らした回数に対して金銭的なインセンティブが与えられる仕組みが導入されています。この実験を通じて、特に女性において自家用車利用の減少が顕著であることが判明しました。
未来に向けての取り組み
デコ活による脱炭素運動は、持続可能な社会の実現に向けて革新的なアプローチを提供しています。今後は、さらなるデータ分析を通じて市民の行動変容を促進し、新しい交通形態を提案していく計画です。そして、交通機関や地方自治体との連携を深め、更なる実証を通じて社会実装を進めることで、全体でのCO₂削減を目指します。これにより、健康的で快適な生活空間が創造されることを期待しています。