エリクソンがドコモ向けに新たな無線機を展開
エリクソン(NASDAQ: ERIC)は、NTTドコモ(以下、ドコモ)の5Gネットワークに向けて、最新のMassive MIMO無線機AIR 3255の商用展開を2025年12月から始めることを発表しました。この新型無線機は、ドコモの4.5 GHz帯で運用され、トラフィックが集中しやすい地域において、現在および将来的な5Gネットワークの需要に応えるものです。
高効率な無線機の特徴
AIR 3255は、エリクソンの最新シリコンを搭載しており、従来モデルと比較して消費電力を25%、CO2排出を20%減少させることに成功しました。また、重量も13kgと、前世代モデルより20%軽量化されています。この軽量化により、トラフィックが多い場所での展開がより容易となり、利用者に快適なネットワーク環境を提供します。
さらに、マルチユーザーMIMOなどの高度な機能が搭載されているため、混雑したエリアでも高いスループットを維持することが可能です。これにより、ユーザーの体感品質の向上に寄与し、今後のトラフィック需要の増加にもしっかりと対応します。
ドコモの期待と参加のコメント
ドコモの執行役員で無線アクセスデザイン部長の増田昌史氏は、「ドコモは、増加するトラフィック需要に対応しつつ、通信品質を維持・向上させることを目指しています。エリクソンのAIR 3255が、私たちのネットワーク強化に貢献することを期待しています」とコメントしました。また、エリクソンの上席副社長で北東アジア地域総責任者のシャフィック・ナシーフ氏も、「マスマイMIMO技術を提供し、ドコモとのパートナーシップを一層深化させることを嬉しく思います」と語っています。
環境への配慮
エリクソンの新型無線機による技術革新は、環境への配慮も重要な要素となっています。消費電力やCO2排出の削減を実現することで、持続可能な通信ネットワークの構築を目指しています。これは、社会全体に貢献するだけでなく、エリクソンが掲げるビジョンにも適合する取り組みです。
未来への繋がり
エリクソンは、この新型無線機を通じて、既存の3.7GHz帯Massive MIMO無線機との連携を図り、将来的なトラフィックの増加に備えた周波数リソースの効果的活用を追求します。この新技術によって、ドコモが提供するネットワークの柔軟性と強靭さが向上し、より多くのユーザーに高品質な通信サービスを提供できるようになるでしょう。
エリクソンは、150年にわたり通信テクノロジーの開発に貢献してきた企業であり、今後も通信事業者や企業との協力を通じて未来のデジタル社会の構築に貢献していく意向です。エリクソンの最新技術が、日本国内だけでなく、世界中の人々に新たなコネクティビティをもたらすことを期待しましょう。