渋沢栄一と清水建設
2016-03-09 10:00:01

渋沢栄一と清水建設の軌跡:企業の原点を探る展覧会レポート

渋沢栄一と清水建設の軌跡:企業の原点を探る



2016年3月12日から5月15日まで、渋沢史料館にて開催された企画展「企業の原点を探る」シリーズの「渋沢栄一と清水建設株式会社」展。

本展は、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一と、老舗建設会社である清水建設株式会社の深い歴史的繋がりを多角的に紹介するものでした。

展示内容:渋沢栄一と清水建設の100年以上の絆



展示は、「清水組誕生~清水喜助・父子~」「渋沢栄一と清水組の出会い~すべては、ここから始まった~」「渋沢栄一の『お抱え棟梁』」「近代的土木建築請負業への発展~渋沢栄一、相談役となる~」「晩香廬~心を込めた逸品~」「渋沢栄一と清水建設株式会社~創業から212年、変わらないもの~」の6つのセクションで構成。

渋沢栄一と清水家の関係は、明治時代初期にさかのぼります。当時、まだ小さな建築会社だった清水組(現在の清水建設)は、渋沢栄一の指導や支援を受け、近代的な土木建築請負業へと発展していきました。展示では、貴重な歴史資料や写真を通して、両者の関係性が丁寧に解説されていました。

特に印象的だったのは、渋沢栄一が設計に関わったとされる晩香廬(ばんこうろ)の建築図面や写真です。晩香廬は、渋沢栄一の別邸として1917年に建てられたもので、清水建設が施工を担当しました。この建物は、渋沢栄一のライフスタイルや建築思想を反映した、見事な建築物でした。

また、青淵文庫も清水建設の施工によるものであり、渋沢栄一の蔵書を収蔵する建物として、現在も利用されています。

展示資料:歴史を物語る貴重な品々



展示資料には、渋沢栄一直筆の書簡や、清水組に関する古文書、建築図面などが含まれていました。これらの資料からは、当時の社会情勢や建築技術、そして渋沢栄一と清水家の関係性が鮮やかに浮かび上がってきました。

特に注目すべきは、渋沢史料館所蔵の「第一国立銀行棟札」や、「建築家清水満之助商店手斧始之式『青淵渋沢先生七十寿祝賀会記念帖』収録」といった、歴史的価値の高い資料です。

エデュケーション・プログラム:歴史を深く学ぶ機会



本展では、「渋沢栄一邸の図面を読む」という講座も開催されました。清水建設の設計担当者が講師を務め、渋沢栄一邸の建築図面を丁寧に解説するものでした。

また、子供たちを対象とした絵画コンクールも開催され、エントランスホールでは入賞作品が展示されていました。

会場:渋沢史料館と周辺の魅力



会場である渋沢史料館は、飛鳥山公園内に位置し、緑豊かな環境の中に佇んでいます。史料館の建物自体も歴史を感じさせるもので、展示を見るだけでなく、周辺の散策も楽しむことができました。

アクセスは、JR京浜東北線王子駅、東京メトロ南北線西ヶ原駅、都電荒川線飛鳥山停留場から徒歩圏内と、公共交通機関を利用すれば容易にアクセスできます。

まとめ:歴史と建築、そして企業精神を体感できる展覧会



本展は、渋沢栄一と清水建設株式会社という、異なる分野の巨人が織りなす歴史的ドラマを、貴重な資料と分かりやすい解説で紹介するものでした。

歴史に興味のある方、建築に興味のある方、企業の経営や歴史に関心のある方、すべての方に強くおすすめできる展覧会でした。 渋沢栄一の生涯と清水建設の歩みを知ることで、日本の近代化への貢献を実感し、企業の持続可能な発展について考える良い機会となりました。

会社情報

会社名
公益財団法人渋沢栄一記念財団
住所
東京都北区西ケ原2-16-1
電話番号
03-3910-2314

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