JTEXの新たな挑戦
2021-06-16 18:05:58
JTEXサステナビリティ会議が切り開く繊維産業の未来
JTEXサステナビリティ会議が切り開く繊維産業の未来
ファッションと繊維産業は、廃棄物、水利用、農薬、プラスチック、労働環境、人権など様々な側面から、持続可能性の確保が求められています。近年、業界内ではこの認識が広がりつつありますが、現場では目指すべき目標と、その達成に向けた具体的なアクションが不明瞭な状況です。そのため、行動のモチベーションや目的意識が希薄になってしまうことも。
そこで、JTEX(日本繊維素材の共同営業体)が立ち上げたサステナビリティ委員会は、まさにその課題に立ち向かうためのものです。この委員会は、繊維業界の持続可能性とは何か、どのように行動すべきかを専門家や業界関係者と共に議論し、行動基準を作成することを目指します。
JTEXの活動と展望
JTEXでは、海外バイヤーへの応対として、リサイクルやオーガニック原料の使用、化学薬品を用いない精練や染色技術の開発に取り組んできました。しかし、これらは持続可能な産業運営の根本的解決策とは言えません。
日本は豊かな歴史と気候に支えられ、繊維素材において世界的な技術力を誇ります。この技術を持続発展させるため、製造業者やサプライヤーは経済的利得を超えた価値観としてサステナビリティを考え、それを消費者に広める必要があります。
JTEX showroom の役割
JTEX showroomは、国内のテキスタイルメーカーが世界のラグジュアリーブランドとの商談を行うための場としても機能しています。これまでにDiorやLouis Vuitton、CELINEといった大手ブランドとも取引を行い、それにより年間2億円以上の実績を上げています。この市場規模は、世界のラグジュアリー市場全体で180兆円(約1.6兆ドル)に達することからも、その重要性が伺えます。
欧州市場での成功体験
日本の各地方の伝統技術を生かしたテキスタイルを、2004年から欧州のラグジュアリーブランドへと売り込んできたJTEXは、商談の成功に苦しむ時期もありました。しかし、パリでの展示商談会開催をきっかけに、徐々に成果が現れ始めました。集客に苦労しつつも、PRエージェントとの協力を得て、名を広めていきました。
商談会では、著名なブランドのデザイナーやバイヤーとの関係も築かれ、その結果昨年は1億円以上の売上に至るなど、大きな成果を上げています。これは、伝統工芸技術を持つ日本と、職人技に敏感な欧州のラグジュアリーブランドのニーズが一致した結果とも言えるでしょう。
コロナ禍を乗り越えた新たな挑戦
コロナ禍により業界全体が厳しい状況に直面していますが、逆にサステナブルな素材への関心が高まっていることはJTEXにとって追い風と感じています。輸出額は維持されており、今後はさらに新たな市場創造とバイヤーとの出会いを目指してまいります。
我々はサステナビリティ委員会を通じて、繊維産業の持続可能な未来に向けた基準を形成し、共に取り組む仲間を募っています。消費者の期待に応えつつ、日本ならではの技術を世界へ届けるため、これからも努力を続けていきます。
会社情報
- 会社名
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有限会社湧元
- 住所
- 大阪府大阪市中央区平野町4-7-8-806
- 電話番号
-
06-6282-7357