ケイデンスがAIとデータセンター向けの新メモリソリューションを発表
ケイデンス社が新たに発表したLPDDR5X 9600MbpsメモリIPシステムソリューションは、AIやデータセンター向けに高い信頼性を実現する製品です。この製品は、ケイデンスの高度なLPDDR5X IPとMicrosoft社の次世代RAIDDR ECC技術を融合させており、高性能、低消費電力の両立を図っています。Microsoft社は、この革新的なソリューションの最初の導入企業となっています。
AIインフラの進化が進む中、LPDDR5X技術はAIや高性能コンピューティング(HPC)などのワークロードにおいて、電力効率と性能を大幅に向上させることから、データセンターでの導入が急増しています。しかし、これまで多くのハイパースケーラー企業は、LPDDR5Xベースのシステムにおいて低消費電力と高性能、さらには信頼性を併せ持つメモリを追求する中で難題に直面していました。
今回の発表によって、ケイデンスのLPDDR5Xシステムはこれらの課題を克服し、エンタープライズクラスの高度な信頼性を提供しています。このソリューションは、9600Mbpsのデータ転送速度をサポートし、他のメモリシステムと同等の性能を持ちながら、コンパクトなフォームファクタを維持しています。また、サイドバンドECCにより、データセンター用途に適した性能向上も図っています。
新しいメモリ技術の鍵、RAIDDR ECC
このソリューションの中核であるRAIDDR ECCは、次世代のエラー訂正アルゴリズムであり、Single Device Data Correction(SDDC)に近い訂正能力を持っています。この技術は、業界最高水準の精度とフォルト検出能力を低い論理オーバーヘッドで提供します。さらに、従来のDDR5 RDIMM用途で使用されていたシンボルベースECCに相当する保護機能をLPDDR5Xでも実現しました。
主な特長
- - LPDDR5X DRAMを用いた40ビットチャネル構成のサポート
- - 9600Mbpsの高速動作と低消費電力を同時に実現
- - DDR5方式のシンボルベースECCと同等の信頼性
- - サイドバンドECC対応でチャネル帯域を最大化
- - 優れた体積効率を持つコンパクトなフォームファクタ
ケイデンスのメモリIPソリューションは、AIトレーニングや推論を含む高性能アプリケーション向けに統合されたサブシステムとして提供されています。さらに、2025年7月には業界初となる14.4GbpsのLPDDR6メモリIPシステムソリューションもリリース予定であり、今後の性能向上に向けた明確な計画を示しています。
Lloyd Phelpsのコメント
ケイデンスのシニアバイスプレジデント兼シリコンソリューショングループのゼネラルマネージャーであるボイド・フェルプス氏は、「このLPDDR5X 9600Mbpsシステムソリューションは、エンタープライズおよびデータセンター市場におけるメモリ技術の重要なマイルストーンです」と述べています。さらに、LPDDR5Xの高速度と電力効率、Microsoft社のRAIDDR ECC技術との組み合わせで、従来の常識とは異なる高性能かつ低消費電力のメモリシステムを提供できると強調しています。
Microsoft社の取り組み
Microsoft社のシステム計画およびアーキテクチャ担当のコーポレートバイスプレジデント、サウラブ・ディゲ氏は、「エンタープライズ向け次世代DRAMシンボルベースECCアルゴリズム『RAIDDR』の発表を非常に嬉しく思います」とし、この技術が高精度と高信頼性を兼ね備えているとコメントしています。ケイデンスとの連携により、高性能で低消費電力のデータセンターソリューションの普及を進めていく方針です。
ケイデンスは、AIやデジタルツインの分野でのマーケットリーダーとして、シリコンからシステムまでのエンジニアリング設計を革新し続けています。同社のメモリソリューションは、さまざまな市場において不可欠な役割を果たしており、次世代製品の開発を支えています。