結婚相手紹介サービス業の信頼性向上に向けた最新の取り組み
2025年10月22日、一般社団法人日本結婚相手紹介サービス協議会(以下、JMIC)が主催する「カスタマーハラスメントを生む土壌を作らないために!!」をテーマにしたオンラインのコンプライアンス講習会が開催されました。この講習会の目的は、結婚相手紹介サービス業界における信頼性と健全性を高めるために不可欠な法令知識を深めることにありました。
JMICは、日本国内の主な結婚相談所とそのグループで構成される唯一の業界団体であり、信頼性向上のための様々な活動を行っています。今回の講習会では、特定商取引法や個人情報保護法など、結婚相手紹介サービスに必要な法令を学ぶことができます。特に、今後の業界発展に向けて必要不可欠なコンプライアンスについての知識を深めることを狙いとしています。
講習会では、JMIC理事長の升村要氏(株式会社シニアーライフ代表取締役)が開会の挨拶を行い、参加者への感謝や、今回のテーマの重要性について語りました。「業界で困難な状況が多々ありますが、カスタマーハラスメントについての具体的な対応策を学べる貴重な機会です」と大塚弁護士の講義に期待を寄せました。
今回の講師には、消費者庁勤務の大塚陵弁護士が招かれ、消費者問題に関する豊富な経験と知識を基に、参加者に向けて具体的な法令遵守のポイントについて伝えました。内容は(1)契約締結前、(2)契約中、(3)契約終了時の注意点の3つに分かれており、それぞれのタイミングにおける重要な法令や手続きに関して詳しく解説されました。
特に契約締結前では、広告表示の適切な満足度調査の必要性や、過去における行政処分事例が紹介され、勧誘や説明に関して注意すべき禁止行為も提示されました。このトピックは、参加者にとって非常に興味深い内容であり、具体的な実務に直結する知識として受け入れられました。
講習中に寄せられた参加者によるオンライン質問では、契約書面の電子交付に関する具体的な条件が挙げられ、大塚弁護士がその詳細に回答するなど、活発な意見交換が行われました。参加者からは「クーリング・オフ制度の理解が深まった」「概要書面と契約書面の違いを明確に把握できた」といった満足の声が多く寄せられました。
JMICは、今後も結婚相手紹介サービス業の事業者を対象に、法令遵守や顧客満足度向上に向けた講習会やセミナーを開催し、行业全体の信頼性向上を図っていく意向を示しています。この活動は、結婚相手紹介サービス業界の健全な発展に寄与するだけでなく、利用者の安心にも繋がり、業界全体の信頼感を高める重要な一歩となっています。
また、結婚相談所を利用して結婚された割合も年々増加しており、過去10年での統計によると、2023年には年間約35,000人が結婚相手紹介サービスを通じて成婚されたとされています。
今後もJMICの活動に目が離せません。このような取り組みを通じて、さらに多くの人々が結婚を希望し、信頼できるサービスを利用できる環境が整うことを期待しています。