高齢者が自分らしく生きるための実態を調査した結果
高齢期になっても『自分らしくいたい』と願う声は多く、今回の意識調査ではこのテーマに関する様々な視点が提示されました。調査は2026年2月に実施され、300名の参加者から得られたデータは、高齢者が介護を通してどのように自己決定をし、またその希望がどのように実現されているかを明らかにしています。
『自分らしく生きる』ことの意味とは
調査において、高齢者にとって『自分らしく生きる』ことの特徴を尋ねたところ、最も多く挙げられたのは『自分で選べること』でした。これは42%の回答があり、次いで『好きなことを続けられる』が32%、『迷惑をかけない』が13.7%と続きました。
生活の中で『自分らしさ』を感じる瞬間についても聞いてみると、自分のペースで過ごすという回答が73%と最も多く、次に一人の時間を持つ、趣味に使う時間が続きました。これは、高齢者が『自分のリズム』で生活することがいかに重要かを示しています。
自分らしさを維持するための要素
今後も『自分らしさ』を維持するために重要だと考えられている要素について調査が行われた結果、最も多く挙げられたのは『趣味』で、次いで『生活リズム』『お金の使い方』が続きました。特に、趣味をいかに継続し、新しいことに挑戦するかといった自由が大切であることが伺えます。日常生活の小さな選択、例えば何時に起きて何をするかを決める自由が、自己決定につながるということです。
介護と自己決定の現実
さらに、介護経験者からのデータを見てみると、介護の実情において約9割の人が『本人の希望』よりも『安全・効率』を優先した経験があることがわかりました。その主要な理由は、転倒やケガが心配されることや、見守りができない状況に由来していることが多いようです。介護仲間として安全を求める一方、本人の希望が軽視されるというジレンマが存在します。
介護における後悔の実情
調査では、介護によって後悔しやすい点も挙げられており、最も多くの回答があったのは『本人の希望を十分に聞けなかった』というもので、54%の人がこれに該当しました。家族の都合を優先してしまったり、一緒にいる時間が減ってしまったことが後悔につながっているのです。このような結果は、家族がどれだけ本人の意思を重視することが必要かを浮き彫りにします。
介護の現場が抱える問題
調査の中で、『社会に不足しているもの』として最も多く挙げられたのは『人手』で、39.7%の人がこれに同意しています。制度や仕組みの前に、実際に現場で働く人が足りないという現実が見えてきます。介護施設を選ぶ際には、料金やスタッフの雰囲気が重視される傾向にあり、自分の生活の自由度も大事な要素として考えられています。
まとめ
高齢者の『自分らしさ』を保つためには、個人の選択肢が充実し、介護の現場での人手が豊かになる必要があります。家族や社会が連携しながら、高齢者が心地よく生活できる環境を整えていくことが求められています。