2026年の国内宿泊旅行調査が示す新たな傾向と課題とは
はじめに
株式会社リクルートのじゃらんリサーチセンターは、全国1万5,548人を対象に「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2026」を実施しました。この調査では、宿泊を伴う国内旅行の実情を探ることを目的に、2025年度のデータが収集されています。ここでは、その結果を詳しく分析し、国内宿泊旅行市場の課題と可能性に迫ります。
宿泊旅行の実施率とその傾向
2025年度に国内宿泊旅行を行った人の割合は48.9%で、前年の49.3%から0.4ポイント減少しました。この数値からは、宿泊旅行の実施率が伸び悩んでいる現状がうかがえます。しかし、年間平均旅行回数は2.78回、旅行あたりの平均宿泊数は1.75泊とわずかながらの増加が見られています。このデータには、特に18~29歳の女性層の旅行意向が高いことが反映されていますが、同世代の男女とも延べ宿泊旅行者数の減少は目立っている点も留意すべきです。
地域別の宿泊旅行者数の分布
都道府県別に見ると、延べ宿泊旅行者数が最も多いのは東京都で、その後は大阪府、静岡県、福岡県などが続いています。特に大阪府は、前年度からの増加幅が顕著で、大阪・関西万博の影響も受けて需要が拡大している様子です。一方で関東地域や甲信越・北陸ブロックでは宿泊者数が減少しています。
旅行にかかる費用の動向
1回の国内宿泊旅行の平均費用は、大人一人あたり6万5,700円と前年より上昇しています。この背景には、宿泊費や交通費が少しずつ横ばいの中で、現地消費が増加していることが影響しています。全体の国内宿泊旅行にかけられた費用総額は約8兆3883億円に達し、前年よりも2.5%増加しました。このことからも、宿泊旅行実施率は微減しているものの、旅行単価の上昇が市場規模を拡大していることがわかります。
宿泊旅行の目的と同行者の影響
宿泊旅行の目的として最も多かったのは、「地元の美味しいものを食べる」という回答で43.7%に達しました。次いで「温泉や露天風呂に入る」が多く、特に親子旅行では「テーマパークに行く」との回答が高くなっています。このように、同行者によって旅行の目的に違いが見られる点は重要です。
今後の市場の展望と課題
JRCの池内摩耶研究員は、旅行単価の上昇が持続的な市場の拡大につながるかが今後の鍵であると指摘しています。人口の減少という厳しい状況に直面する中、旅行者数の増加だけを頼る成長戦略は難しいかもしれません。観光事業者や地域の収益向上とともに、旅行者が「行ってよかった」と感じる体験を提供することが求められます。
また、地域住民にとって観光の意義を実感できる施策を積み重ねることが、持続可能な観光市場の形成にも寄与すると考えられます。
結論
2026年の宿泊旅行調査は、国内旅行市場が直面する課題を浮かび上がらせると同時に、新たな可能性を探るための貴重な指標を提供しています。今後の観光施策がどのように展開され、どのような影響をもたらすのか、我々も引き続き注目していきたいと思います。