第一生命ホールディングスと東京大学の新たな挑戦に迫る
第一生命ホールディングス株式会社と国立大学法人東京大学が手を組み、革新的な共同研究を開始することが発表されました。今回の研究の主なテーマは「しあわせ寿命」として知られる新しい指標の開発であり、これは第一生命グループが1980年代から推進してきた「ライフデザイン」の思想と、近年注目を集める「well-being」(幸福)の概念を融合させたものです。
研究の核心
研究の目的は、well-beingやライフデザイン、さらにはメンタルレジリエンスに関する人々の理解を深めることです。そのために、小学生から大人までを対象にしたゲーミフィケーションコンテンツが開発され、その実効性を中高生や大学生、地域住民などと共に評価するプロセスが計画されています。これにより、社会的・情動的スキル(SEL)の強化に寄与することを目指しています。
この研究は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3(すべての人に健康と福祉を)、目標4(質の高い教育をみんなに)、目標8(働きがいも経済成長も)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標10(人や国の不平等をなくそう)、目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)にも対応した重要な取り組みです。
100年以上の歴史を持つ第一生命グループ
第一生命グループは、お客さまの人生に寄り添い、個々の幸せを実現することを目指しています。「共に歩み、未来をひらく多様な幸せと希望に満ちた世界へ」というビジョンのもと、社会や地球、すべての人々を支える存在であり続けることが目標です。この共同研究を通じて、「しあわせ寿命」という新しい社会指標の提案と、well-beingの可視化・向上に挑戦することは、未来に必要とされる価値の創出に繋がると確信しています。
先端技術の活用
本研究では、生成AIなど先端テクノロジーの活用により、現状の AIが人間の倫理性や社会性、そして「しあわせ」という主観的な価値観をどの程度理解し、それに基づく意思決定や学習支援にどのように寄与できるかを多角的に検証します。また、第一生命保険株式会社や第一生命経済研究所を挙げたプロジェクトグループ横断の取り組みとして、特にAIやデジタル技術の知識を活かす研究メンバーを社内公募し、選ばれた社員は研究に参加しつつ、東京大学から新しい知識と経験を得ることが期待されています。
プロジェクトCHANGEとの関係
さらに、この研究は、川崎市産業振興財団主導の「COI-NEXTプロジェクトCHANGE」から派生したものとなっています。プロジェクトCHANGEは「医工看共創が先導するレジリエント健康長寿社会」を目指し、少子高齢社会における医療の課題に取り組んでいます。特に工学の力で看護分野の負担を軽減し、老化に対抗する身体づくりを研究・開発しています。
社会との共創を目指す
文部科学省が支援するCOI-NEXTプログラムは、大学と産業界、政府が連携し、持続可能な未来に向けた価値創出を目指す取り組みであり、本研究もその一環として位置づけられています。このように、第一生命ホールディングスと東京大学の共同研究は、単なる研究を超え、地域社会の未来に貢献する重要なプロジェクトとなることが期待されています。