米国ネブラスカ&カンザスで「スキーポン」実証試験へ
日本のアグリバイオスタートアップ企業、アクプランタ株式会社は、2024年夏、米国中西部のネブラスカ州とカンザス州で、植物のストレス耐性を高めるバイオスティミュラント「スキーポン」の実証試験を実施することを発表しました。
今回の試験では、現地の農家や試験代行企業と連携し、ダイズとトウモロコシの栽培において、「スキーポン」の効果を検証します。
試験に先立ち、5月中旬には、カンザス州の試験実施機関2社とネブラスカ州の試験実施機関1社を訪問。試験圃場の土壌や耕作機械の状態などを確認しました。
ネブラスカ州の試験協力農家では、昨年からトウモロコシの栽培で「スキーポン」を使用しており、収量増加という結果が出ています。今年はダイズにも使用を拡大する予定です。
今回の訪問は、オンラインでのやり取りだけでは得られない信頼関係を築くため、現地の方々と直接会って意見交換を行うことを目的としていました。
「スキーポン」とは? 農業の未来を変えるバイオスティミュラント
「スキーポン」は、酢酸(酢の主成分)の作用を活用したバイオスティミュラントです。
バイオスティミュラントとは、「生物」(バイオ)と「刺激剤」(stimulant)を組み合わせた呼称で、従来の農業対策に次ぐ技術として注目されています。植物が本来持つ作用を刺激することで、気候や土壌からのストレスやダメージへの耐性を高めます。
「スキーポン」は、酢酸の作用で植物の乾燥や高温への耐性を高めることで、収量や品質の維持、そして節水に貢献します。
世界で広がる「スキーポン」
アクプランタ株式会社は、気候変動や減農薬・減化学肥料の需要の高まりを受け、国内だけでなく海外でも「スキーポン」の実証実験を進めています。
現在、米国やウガンダなど14カ国で、高温・乾燥対策の実証実験を実施しており、その効果は高く評価されています。
国内では、JAふじ伊豆(静岡県)、群馬、愛知、和歌山の各県農業試験場、全国各地の農家、農業グループ、企業などと連携し、「スキーポン」の普及に取り組んでいます。
今後の展開
アクプランタ株式会社は、今後も「スキーポン」の研究開発を進め、世界中の農業を支える革新的な技術として、更なる展開を目指しています。