投資詐欺被害の実態と法的手段がもたらす回収の可能性

1. はじめに

近年、投資詐欺が急増しており、多くの人々がその被害に遭っています。東京都に拠点を置くリード法律事務所は、投資経験者を対象に「投資詐欺」に関する調査を実施しました。本記事では、その調査結果をもとに投資詐欺の実態と、被害回収における法的手段の違いについて深く掘り下げていきます。

2. 調査の概要

調査は2024年に2回にわたって行われ、合計で2068名の投資経験者からデータを収集しました。調査の結果、82.4%の回答者が投資詐欺のリスクを理解していることが判明しましたが、そのうち約17%が実際に詐欺被害に遭った経験があることも明らかになりました。

3. 投資詐欺の手口

投資詐欺に遭った人々からは、SNS経由の勧誘やセミナー参加が詐欺のきっかけとして指摘されました。特に連絡が途絶えることが最も多い気づきのタイミングとして挙げられ、その後の対応に大きな影響を及ぼしています。また、被害額に関しては、最も多かったのが50万から100万円であり、その一方で3000万円以上の高額被害も発生していました。

4. 被害回収の実態

投資詐欺に遭った後の回収手続きには、主に民事裁判と刑事手続の2種があります。調査では、民事裁判で勝訴した方の42.9%が被害額を1円も回収できない結果となった一方、刑事手続を経て示談で回収に成功した方は90%以上に達しました。このことから、法的手法の選択が被害回収において重要な要素であることが示唆されます。

5. 重視すべき法的対応の選択

この調査から見られるように、被害額の回収には刑事的手続きが非常に有効であることが分かります。詐欺罪が実刑に繋がるリスクが高いことを考慮すれば、加害者側は示談に応じる可能性が増し、被害者としてはメリットが多くあります。対して、民事裁判では回収が困難なケースが多いため、初めから刑事的手段を考慮することが推奨されます。