RFIDリーダに搭載された新オプションの詳細
自動認識システムの分野で注目を集める株式会社マーストーケンソリューション(以下、MTS)は、新たなオプション「移動方向検出機能」を、固定式UHF帯RFIDリーダ「MRU-F7100JP」に追加したことを発表しました。この新機能の導入により、製造現場や物流業界でのRFID技術のさらなる活用が期待されています。
RFID技術の普及とその課題
製造業や物流業界では、RFID技術が急速に普及していますが、RFIDゲートを通過する際に「どの方向に移動したのか」を判別することは、依然として大きな課題でした。従来のシステムでは、特別なアンテナや複数のセンサーを導入することが求められ、その構築は複雑でコストも高くついていました。このような現場のニーズに応える形で、MTSはMRU-F7100JP単体で方向検出を行える新オプションを開発したのです。
基本性能と特長
MRU-F7100JPは、もともと自律動作型リーダライタであり、特別な制御用PCを必要としません。新しい方向検出機能は、次の特長を持っています。
1.
通過方向検知:この機能により、RFIDタグを読み取ると同時に、そのタグが入ったのか出たのかを自動的に判別・記録します。謙理的には、倉庫の入口を通る際に、その方向に基づいた履歴データをリアルタイムで提供できるため、業務の精度を大幅に向上させることが可能です。
2.
柔軟な設置性:小型でPoE(Power over Ethernet)に対応しているため、設置工事が不要で、現場のレイアウトに合わせた自由な配置ができます。既存のRFIDゲートと比較しても、スペースを取らずに運用できる点が大きな利点です。
3.
PoE/無線LAN対応:電源供給がLANケーブルで行えるため、配線が簡素化されています。これにより、遠隔地での配置変更が容易になり、実証実験用機器を簡単に設置できます。
このように、MRU-F7100JPは追跡精度を向上させるだけでなく、使いやすさや導入のしやすさでも大きな成果を上げています。
業界への影響
実際の活用例としては、建設業の入退場管理や製造業の工程戻りトレイの判別、物流業の自動出荷・入荷判別が挙げられます。例えば、建設現場では手動での登録操作が省略され、スムーズなハンズフリー認識が実現しました。製造ラインでは、誤って前工程へ戻ったトレイを即座に検知し、品質トラブルを未然に防ぐことが可能になっています。物流業界では、MRU-F7100JPが出入りの自動判別を行うことで、誤出荷のリスクを軽減し、在庫管理の精度を高めています。
簡単なシステム構成
RFIDによる通過方向の判別は難題でしたが、MRU-F7100JPに統合された方向検知オプションにより、1台のリーダでこの課題を簡潔に解決しています。制御PCが不要な点や内蔵の通過方向ロジックにより、コストや導入のハードルを抑え、シンプルな構成で業務に合わせたRFIDゲートが築けるのです。
開発者のコメント
製品開発担当者は、「RFIDゲートを通過するモノの方向を知りたいという要望が多く寄せられてきました。もともとは複雑なシステム構築が必要でしたが、新オプションにより導入が格段に容易になりました。これからもお客様の声に耳を傾け、現場のトラブルを解決する製品を開発してまいります」とコメントしています。
このMRU-F7100JPの移動方向検出機能は、業務効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めており、今後の導入が非常に楽しみです。