アイリスオーヤマは、米国市場におけるさらなる成長を目指し、投資を拡大することを発表しました。この決定は、米国政府の相互関税措置による影響を受けたもので、輸入製品のコスト上昇や供給リスクが明らかになったことが背景にあります。アイリスオーヤマの米国法人であるIRIS USA, Inc.は、1992年に設立以来、アメリカ国内のウィスコンシン、テキサス、アリゾナ、ペンシルベニアの4工場で主にプラスチック製の生活用品やペット商品などを生産しています。
しかし、最近の報復関税によって、家電やハウスウェアなどの製品は、特に中国を中心とした生産体制に依存しているため、大きな影響を受けることとなりました。これを受けて、IRIS USA, Inc.は米国内での製造体制を強化し、サプライチェーンのさらなる強靭化を図るために、約1,300万ドルの追加投資を決定しました。
2025年に向けた投資内容
主な投資内容としては、以下の3つが挙げられます。
1.
ペットシーツの生産ラインを新設(ペンシルベニア工場)
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投資金額:約650万ドル
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稼働予定:2025年12月
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概要:アメリカ国内での生産体制を構築し、関税の影響を受けない安定供給を実現します。
2.
医療用マスクの生産設備を新設(ウィスコンシン工場)
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投資金額:約50万ドル
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稼働予定:2025年6月
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概要:新たにクリーンルームを設置し、既存の生産ラインを改修することで早期生産を可能にし、医療・衛生分野に向けた供給体制を強化します。
3.
プラスチック成型事業の戦略拡大(全4工場)
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投資金額:約600万ドル
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概要:金型開発や自動化設備に戦略的に投資し、輸入依存を抑制する体制を整えます。
今回の投資によって、米国市場における競争力が維持・向上され、製品供給の安定性が大きく向上します。IRIS USA, Inc.の詳細についても触れましょう。アリゾナ州サプライズ市に本社を置く同社は、394名の従業員を抱え、インターネット通販や大手チェーンストアを通じて製品を販売しています。
設立からの沿革を見ると、ウィスコンシン工場が1996年に竣工し、その後もテキサス、アリゾナ、ペンシルベニアといった工場の立ち上げを経て、現在の製造拠点を確立しました。工場は各州に戦略的に配置されており、品質の高い製品を途切れなく供給できるような体制が整っています。
このような国際的な変化の中でも、アイリスオーヤマはしっかりとした国内の生産体制を強化し、顧客に高品質な商品を安定的に提供する姿勢を継続することが期待されます。さらなる発展が楽しみな企業として注目が集まることでしょう。