IHIとSSTLが協力して地球観測衛星の未来を築く
IHIと英国のSurrey Satellite Technology Limited(SSTL)が、地球観測衛星コンステレーションの構築に向けて共同歩調を取ることが決定しました。この協力の背景には、日本の情報収集や監視、偵察(ISR)能力の強化があり、両社の連携が期待されています。
合意内容と背景
2025年9月10日、ロンドンで開催される防衛イベント「DSEI UK」で覚書(Teaming Agreement)が正式に締結される予定です。この合意は、日英間での宇宙及び防衛協力の強化を反映しており、2023年の広島アコードや2025年の日英防衛相会談での合意を受けてのものです。具体的には、衛星データの相互共有や撮像能力の協力が含まれています。
SSTLの役割と実績
SSTLは1985年に創業以来、小型衛星製造の分野で先駆者としての地位を確立してきました。エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの子会社となった後も、これまでに70基以上の衛星を開発・運用し、世界中の政府や軍へのサービス提供を行っています。特に、最近打ち上げられた「TYCHE」衛星は、英国国防省にとって初の主権能力を持つ小型衛星として注目を浴びています。
日本の国家安全保障と宇宙戦略
今回の協力は、日本政府の安全保障能力強化への投資策にも基づいています。地政学的な不安定性が増す中、IHIは「技術をもって社会の発展に貢献する」という理念のもと、9つのエンジニアリング力を駆使して国際的な宇宙協力を進めています。特に、フィンランドのICEYE社とのコラボレーションにより、最大24基の合成開口レーダー(SAR)衛星を整備するプロジェクトも進行中です。これにより、日本は地球観測やISRにおいて、より高い能力を持つ体制を築いていくことが見込まれています。
IHIとSSTLの今後の展望
IHIとSSTLの提携は、我が国の宇宙産業の発展を促進するばかりでなく、国家安全保障を強化するための重要な一歩と位置づけられています。IIHIの佐藤常務は、この最初のステップが、日本における新たな主権性の確保に寄与すると語っています。また、SSTLのMartin Sweeting CEOは、宇宙が国家安全保障の要素としてますます重要になる中、両国の連携が深まることを期待しています。
今後、IHIとSSTLは、協力を通じて複雑な宇宙ミッションに対応し、日英間の安全保障協力をより一層強化していく考えです。まさに、この共同プロジェクトが、日本及び国際社会において、持続可能で安全な宇宙利用の新たなモデルとなるでしょう。