三井不動産、未来の不動産ビジネスを見据えたDX VISION 2030を発表
三井不動産株式会社は、2030年を視野に入れた新しいDX(デジタルトランスフォーメーション)方針「DX VISION 2030」を発表しました。この方針は、2023年4月に発表された新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」に基づいており、会社の強みを活かし、リアルの場とデジタル技術を融合させた不動産ビジネスの革新を目指しています。
新たなビジョンのポイント
1. リアルとデジタルの融合によるビジネス変革
「DX VISION 2030」の第一の目標は、リアルな接点とデジタルプラットフォームを有機的に結びつけることです。三井不動産は、オフィスや商業施設、スポーツ・エンターテインメント、住宅、ホテル、ロジスティクスなど、さまざまな領域での顧客との接点を最大化し、デジタルによる新しい体験価値を創出します。たとえば、複数の事業間でのポイント相互利用を進め、顧客がどの事業を利用しても一貫した特典を享受できるような仕組みを整備しています。
2. AIおよびデジタル人材の育成
次に、AI技術の活用を通じて飛躍的な生産性向上を図り、顧客サービスの拡充を進めていきます。また、来年度から新たに導入される「ビジネスインターン制度」や「DXトレーニー制度」などを用いて、ビジネスとデジタルの両面を理解した人材を育成し、2030年までに全社員の25%を「DXビジネス人材」として育成する目標を掲げています。このような人材育成により、変化の激しい市場環境に柔軟に対応する力を高めていきます。
3. セキュリティとデジタル基盤の変革
最終的には、デジタル基盤の強化が重要な要素です。三井不動産は国内外のグループ各社における業務システムの戦略的刷新を図り、セキュアで先進的なデジタル環境の整備を行います。特にサイバーセキュリティについては、全ての事業領域での重要な課題として、技術的な対策を進める必要があると認識しています。
目指す未来のビジョン
三井不動産は「産業デベロッパー」としての立場を強化し、多様な顧客ニーズに応えることで体験価値の向上を図るとともに、社会に対してもイノベーションを提供することを目指しています。また、企業理念としての「共生・共存・共創」を重視し、これらを通じて経済的価値と社会的価値の両方を創出することを重視しています。
今後、三井不動産は新たなDX方針のもと、どのような変革を進め、未来の不動産ビジネスを構築していくのか、多くの人々が注目しています。社会のニーズに応じた柔軟かつ革新的なビジネスモデルの実現に期待が寄せられます。