シニアの履歴書が抱える課題
50歳以上の方々が就職や転職を目指す際、厳しい現実が待っています。企業は人手不足を訴えながらも、シニアが提出する履歴書や経歴書はあまり評価されず、面接に進む確率が低いのが現状です。この背景には、年齢差別や偏見が大きな影響を与えています。たとえば、企業はシニアの技術やスキルが最新のトレンドに追いついていないと誤解し、その柔軟性や適応力を疑うことがあります。また、シニアの方々は長年のキャリアに基づく高い給与要求を持つことが多く、コスト上昇を懸念する企業も少なくありません。若者を選ぶ方がコストが抑えられるという考えが、シニアに対する冷遇を生んでいるのです。
書類選考を突破するために必要な工夫
シニアの方々はキャリアが長い分、経歴書に多くの情報を書き込むことができるのも事実ですが、その結果、受け取る側は情報の洪水に圧倒されてしまうことが多いです。したがって、「削る作業」が必要になるのです。企業が重視するのは、過去の古い経歴ではなく、最近の職歴とシニアの方が現在持つ能力です。一般的な履歴書フォーマットに沿って作成する必要はなく、自身のアピールポイントを強調できる内容が求められています。
新たに提案された「新シニアの履歴書」
従来のJIS規格に基づく履歴書は、履歴や学歴が重視されがちですが、シニアの方にとって必要なのは現在の職務に関連する能力や知識です。新しい履歴書のコンセプトは、1枚で要点を簡潔にまとめられるようにし、今の自分の持つ価値や市場でのポテンシャルをアピールできるものです。
新シニアの履歴書構成のポイント
- - 簡潔で要点をまとめた1枚仕立て
- - 過去の経験を羅列するのではなく、現在の価値をアピール
- - 個人情報保護や労基法関連に配慮した内容
効果的な履歴書の書き方
1. 写真
履歴書の最初の印象を決定づけるのが写真です。明るい笑顔で誠実さをアピールし、プロに撮影してもらうのが望ましいです。
2. 応募動機
応募先についてリサーチし、企業が抱える具体的な課題にどのように自身の経験やスキルが貢献できるかを具体的に書きます。
3. PCスキル
オフィスワークを希望する場合、基本的なPCスキルをアピールする必要があります。特に、ExcelやWordなどのソフトウェアが使えることは必須です。
4. 職務経歴
直近の職歴を中心に、何ができるかが具体的にイメージできるように情報を整理して記入します。
5. 健康状態
健康状態は企業にとって重要なポイントです。定期的に健康診断を受けていることや運動習慣を持っていることをアピールすることで、安心感を与えましょう。
6. 推薦状や紹介状の活用
前職からの推薦状や紹介状は、自分の人柄や能力を裏付ける重要な証拠になります。これを用いることで、企業の判断材料として有効に働くでしょう。
まとめ
これらのポイントを押さえた新しい履歴書の作成は、シニアの方々にとって転職活動を有利に進める手助けとなるでしょう。興味のある方は一般社団法人シニアライフデザイン協会のHPにてさらに詳しい情報をご確認ください。
第2回目の記事には、PDF版のダウンロードリンクもありますので、ぜひご利用ください。