抗ウイルスコーティング
2025-02-17 14:15:24

新たに開発された抗ウイルスコーティング技術の可能性

抗ウイルスコーティング技術の新展開



国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)の研究チームは、シートや繊維に迅速かつ非加熱で抗ウイルス成分をコーティングする技術を開発しました。この新技術は、健康管理のキーパーツとなる可能性があり、特にCOVID-19により需要が高まる - 抗ウイルス材料に関して注目されているのです。

開発の背景


近年、悪化し続けるウイルス感染症の影響で、抗ウイルスコーティングの需要が急増しています。しかし、従来の技術では基材へのダメージや意匠性に対する影響が懸念されていました。特に光触媒やゾル・ゲル法を使った場合は、基材の種類による制約が多く、使用できる素材が限られていました。

そこで産総研は、紫外線を利用した光表面化学修飾(PSM)技術の開発に着手しました。これにより、分子の化学構造を保ちながら基材表面に直接抗ウイルス成分を固定することを可能にしました。この技術により、抗ウイルス薬剤が基材と直接結合し、その効果が長期間持続することが実証されています。

研究の詳細


今回の研究では、一般的に口腔ケアに使われるクロルヘキシジン(CHX)を抗ウイルス薬剤として選定しました。この薬剤は、インフルエンザウイルスに対して99.9%の不活性化効果があり、非常に高い性能を誇ります。研究チームは、PETフィルムやポリエステル繊維にCHXをコーティングし、紫外線照射によって薬剤を固定しました。これにより、2カ月間の抗ウイルス効果が持続することが確認されています。

実用性と今後の展開


新たなコーティング技術は、繊維からシートに至るまで様々な基材に適用可能であり、医療用ガウンやマスク、一般の衣料品など多岐にわたる用途が期待されています。また、抗ウイルス効果を持続するため、医療や防疫の現場における安全性も確保されています。この技術は、特に高リスクな状況下での使用が求められる場所での活躍が期待されます。

今後の実施計画


産総研は今後も実験を進め、フィールドテストを通じて技術の確立を図る意向です。さらに、量産体制の構築を目指してRoll-to-Roll製造を検討しており、これにより手軽に抗ウイルスコーティングを施した製品を市場に提供できる見込みです。

この新しい抗ウイルスコーティング技術は、今後の医療環境や生活様式に大きな影響を与える可能性を秘めています。

まとめ


産総研と就実大学の共同研究により開発されたこの技術は、安全かつ効果的な抗ウイルス対策として、私たちの生活を守る新たな武器となることでしょう。今後の進展に期待がかかります。


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