重量物作業の負担軽減と生産性向上へ、パワースーツの実証実験開始
ドイツのロボティクス企業German Bionicは、野村不動産の企業間共創プログラム『Techrum』に参画し、同社の物流施設『習志野TechrumHub』において、コネクテッド・パワースーツ『Apogee』の実証実験を開始することを発表しました。
この取り組みは、物流現場における作業負担軽減と生産性向上を目指し、パワースーツによる効果を検証するものです。2024年7月17日より、物流施設を利用する企業に対して、Apogeeパワースーツの実機を活用し、実際の取り扱い荷物で評価・効果検証を実施していきます。
物流現場における課題とApogeeパワースーツの活用
物流施設では、軽量物のオートメーション化や自動搬送ロボットなどの導入が進んでいる一方で、重量物の取り扱いにおいては、依然として人によるマニュアル作業が多く、作業者の負担が大きい状況です。また、荷主や3PL企業では、従業員の作業負担の低減や生産性向上に向けた取り組みの定量的な評価に課題を抱えています。
このような課題に対し、Apogeeパワースーツは、装着者の身体的な負担を軽減し、AIベースの早期警告システムにより、姿勢の悪さや間違った持ち上げ方の兆候を警告することで、作業者の安全性をさらに高めます。さらに、German Bionic IOダッシュボードにより、機器の利用状況や支援量を定量的に把握することで、業務効率の改善や安全性の向上に貢献します。
Apogeeパワースーツの特徴
Apogeeは、German Bionicが開発した第6世代のロボティック・パワースーツです。従来モデルよりも軽量化され、適用範囲が拡大しました。防塵・防水仕様で、最大30kgの持ち上げ動作を支援し、アクティブな歩行支援機能により疲労を軽減することで、作業現場の安全性を向上します。
Techrumと習志野TechrumHubについて
Techrumは、野村不動産が2021年4月に開始した企業間共創プログラムです。自動化機器の効率的な活用による物流オペレーションの最適化を目指し、参画企業との連携や組み合わせによる課題解決やきめ細かいソリューション開発などを推進しています。
習志野TechrumHubは、野村不動産が運営する物流施設「Landport習志野」(千葉県習志野市)内に設置された効果検証拠点です。幅広い企業が参画することで、荷主や物流企業の課題解決を目指しています。
German Bionicについて
German Bionicは、スマート・パワードスーツやその他のウェアラブル製品を開発・製造するヨーロッパのロボティクス企業です。職場向けのコネクテッド・パワースーツを世界で初めて提供した企業として知られており、自己学習とAIを活用することで、持ち上げ動作をサポートし、姿勢の改善を促すことで、人間と機械間のインテリジェントな連携を実現しています。
German Bionicのパワースーツとウェアラブル製品は、従業員の健康を守り、事故や怪我のリスクを大幅に低減し、作業プロセスを改善します。これらの革新的なテクノロジーは、CES 2023「ベスト・オブ・イノベーション」賞、Fast Company「イノベーション・バイ・デザイン賞」など、数々の賞を受賞しています。
German Bionicは、米国とドイツに本社を置き、ボストン、ベルリン、アウクスブルク、東京にオフィスを構えています。