NANOとSBIの戦略
2025-12-23 11:22:13

創薬バイオの再生を目指すNANOホールディングスとSBIグループの戦略

創薬バイオの再生を目指す新たな挑戦



2025年12月11日、東京・日比谷で行われたイベントでは、NANOホールディングス株式会社(旧NANOMRNA)とSBIグループによる新たな成長戦略が発表され、創薬バイオの未来を考えるためのパネルディスカッションが開催されました。このイベントには、産学官の専門家や投資家、メディアなど多くの人々が参加し、日本の創薬バイオ市場の今後について熱い議論が交わされました。

イベントの概要



開催日


2025年12月11日(木)

会場


日比谷三井カンファレンス(東京都千代田区)

プログラム


1. パネルディスカッション:「100億円問題後の新・創薬バイオ資金循環モデル」
2. 成長戦略記者発表会:新体制「NANOホールディングス」による成長戦略

登壇者


パネルディスカッションには、SBI証券の石井巨道氏をモデレーターに、各界から著名な専門家たちが参加しました。パネリストには、東京大学の河原三紀郎氏や、Beyond Next Venturesの澤邉岳彦氏、日本医療研究開発機構(AMED)の下田裕和氏などが名を連ねました。

パネルディスカッションの内容


石井氏は、東京証券取引所が設定した上場維持基準についてコメントし、それが日本の創薬バイオベンチャーにどのような影響を与えているかを議論しました。特に、グロース市場において約600社のうち、わずか4割が求められている時価総額100億円の基準を満たしている現状に触れ、この基準の見直しが新たな心理的障壁を生んでいることを指摘しました。

NANOホールディングスの新戦略


NANOホールディングスの飯野智CIOは、創薬バイオ企業の資金調達環境が厳しい中、SBIグループとの提携を強調しました。特に、株式交換を活かした企業買収やファンド型の伴走資金による新たなビジネスモデルを紹介しました。彼は「市場の変化をチャンスと捉え、日本の創薬バイオ分野での資金循環を健全にすることを目指す」と述べ、期待感が高まりました。

投資家の視点


続いて、Beyond Next Venturesの澤邉氏は、「ラウンド連続性が崩れている」と述べ、従来の投資シナリオの難しさを指摘しました。開発や治験を経て製薬企業にライセンスアウトする過程での資金確保が不可欠であり、柔軟な出口戦略が求められています。また、東大IPCの河原氏は、「M&Aの重要性」を強調し、資金制約の中での株式交換によるM&Aの可能性に言及しました。

歴史的背景


テック&フィンストラテジー社の小南氏は、過去20年の状況を振り返ります。日本の創薬バイオ市場は、かつて大きな成長を遂げましたが、成功事例が不十分であり、資金循環の悪化が今の課題だと強調しました。

公的支援の役割


AMEDの下田氏は、基礎からPOCまでの公的支援がある一方で、臨床後期〜事業化の壁が依然厚いと指摘しました。民間投資と公的支援の連携が今後のカギとなるでしょう。

成長戦略の発表


パネルディスカッション後の記者発表で、NANOホールディングスの新体制が正式に発表されました。松村会長は、新たな成長戦略によって企業価値を向上させることを目指すとし、主要な技術や人材を活用した事業化の推進に言及しました。特に、ヘルスケア分野を中心とした柔軟なM&A戦略が示され、会場の関心を引きました。

今後の日本の創薬バイオ分野は、この新たな挑戦を通じて、資金循環の効果的な構築とエコシステムの成熟が期待されます。各界からの期待と注目が集まる中、新たな成長戦略がどのように実行されていくのか、注視が必要です。


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会社情報

会社名
NANO MRNA株式会社
住所
東京都港区愛宕二丁目5番1号愛宕グリーンヒルズMORIタワー26階
電話番号

トピックス(経済)

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