水田を救う新たなビジネスモデル「マコモダケ」ソーラーシェアリングが浜松に登場

浜松市に誕生した新たな農業モデル

静岡県浜松市に新たに設立された「スマートブルー浜松農場」は、農業と再生可能エネルギーの融合を図るソーラーシェアリングの先駆けです。この取り組みは、水田の耕作放棄地問題を解決する新しいビジネスモデルとして注目されています。

ソーラーシェアリングとは

ソーラーシェアリングは、農地の上に太陽光パネルを設置し、その下で農作物を育てる手法です。この方法により、農業収入と再生可能エネルギーからの利益を同時に得ることができ、経営の安定化を図ることが可能です。

マコモダケの特性と育成の可能性

当農場では、新たに“マコモダケ”という作物を導入しています。これは、水田で栽培されるイネ科の植物の一つで、肥大化した茎の白い部分を食材として利用します。この作物は、タケノコに似た食感を持ち、様々な料理に適応可能であるため、特にアジア料理で人気です。

最近の研究によれば、マコモダケはソーラーシェアリングの環境下でも問題なく生育可能で、水稲に比べて数倍の収穫量が期待できることが示されています。これにより、耕作放棄地の農地を有効活用し、ビジネスモデルの強化が図れます。

新規格「一本足」架台の導入

スマートブルー浜松農場では、新規格の「一本足」架台を採用しています。この構造は部材数が少なく、独立性が高いことが特長です。従来の藤棚型の連鎖倒壊リスクを低減し、設置の自由度が向上しました。これにより、農作業の効率も改善されます。

地域との連携

農場で生産された再生可能エネルギーは、株式会社UPDATERのクラウド型ソーラー発電サービス「ピーパ」を通じて地域の需要家へ提供されます。このサービスは、利用者が自らのニーズに合わせて発電所を選ぶことができ、地域のエネルギー自給率向上にも寄与します。

スマートブルー株式会社は、「マコモダケ」という新たな特産物を地元資源として発展させ、地域活性化へ繋げていくことを目指しています。また、定期的な収穫体験イベントなどを実施し、地域コミュニティとの交流を深めていく計画です。

カーボンニュートラル時代への貢献

現在、カーボンニュートラルが社会的な課題として捉えられる中、スマートブルーの取り組みは地域農業の活性化や再生可能エネルギーの価値向上に寄与しています。「どのように」再生エネルギーが生まれ、地域の課題に対処しているのかを重視する時代に、当農場は選ばれる発電所となることを目指していきます。

スマートブルー浜松農場は、持続可能な農業とエネルギーの未来を切り拓くモデルとして、今後の展開に期待が寄せられています。