宇宙飛行士から誕生した「Chupica」
日本たばこ産業株式会社(JT)と日本航空株式会社(JAL)は、画期的なオーラルケア製品「Chupica(チュピカ)」の実証実験を実施しました。この商品は、宇宙での生活課題からヒントを得て開発されたもので、特に水が限られた環境でも口腔内を清潔に保つことができるタブレット型のハミガキとマウスウォッシュの機能を持っています。
宇宙生活からのインスピレーション
「Chupica」の開発には、国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙生活における課題が大きく関与しています。宇宙飛行士たちは、限られた水資源の中で生活しており、口腔のケアも重要な課題の一つとされています。その知見を基に、JTは長年にわたって宇宙向けのオーラルケア商品を研究・開発してきました。「Chupica」は、その集大成ともいえる製品です。これは、2020年から実施された「Think Space Life(TSL)」プラットフォームを通じて進められてきたプロジェクトの一環でもあります。
このプロジェクトでの取り組みは、実際の航空機内で「Chupica」を使用するという形で実証実験が行われ、機内や海外滞在時におけるその有用性が検証されました。JALは70年以上にわたる航空運航の経験を活かし、安全で快適なフライト環境を提供するため、客室乗務員の協力のもと、使用感に関するフィードバックを収集しました。
「Chupica」の特長
「Chupica」は、移動中やアウトドア活動の際に手軽に使用できる携帯性の高い商品です。このタブレットは口の中で溶かすことができ、使い方も非常に簡単です。また、宇宙での実績もあるため、その信頼性が高く、日常生活や災害時の備蓄品としても適しています。製品は2024年9月から一般市場でのテストマーケティングを開始し、幅広いニーズに応えられる製品としてのさらなる改良が期待されています。
実証実験の具体的な内容
実証実験にはJALの客室乗務員約100名が参加し、6時間以上のフライトの中で「Chupica」を使用してその使用感を評価しました。このデータは、今後の製品改良や新たな商品開発に活用される予定です。顧客のリアルなフィードバックが反映されることにより、より良い製品へと進化していくことでしょう。
JTとJALの役割
JTは「Chupica」を開発すると同時に、実証実験における技術的な側面を担当し、製品の実用性を評価しています。一方、JALは長年の航空業界での経験を活かし、宇宙生活における課題に貢献することを目指しています。この共同の取り組みは、宇宙から地上の暮らしに豊かさを還元する大きな可能性を秘めています。
今後の展望
JTとJALは、宇宙から地上への持続可能な商品・サービスの展開を目指し、さらなる共同プロジェクトに取り組む予定です。「Chupica」の可能性を探るこの取り組みは、私たちの暮らしに新しい価値をもたらすことを期待されており、今後の宇宙関連事業の発展にも寄与するでしょう。