AZUL Energyの新たな一歩
東北大学発のスタートアップ、AZUL Energy(アジュールエナジー)が、シードラウンドで6,000万円の資金を調達した。このスタートアップは、2019年の設立以来、東北大学材料科学高等研究所(AIMR)で開発された新しい技術を基に、次世代のバッテリーとして注目を集めている金属空気電池や燃料電池の実用化を目指している。
AZUL触媒の特徴
AZUL Energyが開発している「AZUL触媒」は、従来の白金などの貴金属を使用せず、環境に優しい非白金系の酸素還元反応触媒電極材料である。この技術により、高コストだった貴金属に頼らない、低コストかつ安全性の高い触媒の実現が期待されている。従来の反応用触媒は、技術革新の遅れや高価な材料がネックとなっていたが、AZUL触媒はこれらの課題を解消する可能性を秘めている。
新たに調達した資金については、「AZUL触媒」の量産化技術の開発に使われるほか、金属空気電池や燃料電池用のサンプル提供も積極的に行う計画だ。AZUL Energyは、環境に配慮した高性能電池の社会実装を目指し、持続可能な社会の実現に向けた努力を続けていく。そのビジョンは、エコで快適な新たなライフスタイルの提案を通じて、IoT社会や循環型社会の実現に寄与することだ。
出資者の声
AZUL Energyの事業に賛同する出資者たちからも期待が寄せられている。フューチャーベンチャーキャピタルの赤岩様は、次世代エネルギーデバイスの必要性が高まる中、AZUL触媒の技術がそれらの課題を解決する手段になると評価している。また、株式会社MAKOTOキャピタルの福留様も、東北大学の技術を活用したスタートアップとして、AZUL Energyの成長を強く支援する意向を示している。
会社情報と事業概要
AZUL Energyは、今後も次世代エネルギーデバイスを中心とした事業を展開していく。具体的には高性能触媒材料事業と次世代エネルギーデバイス事業の2本の柱で構成されており、燃料電池や金属空気電池の高性能化とコストダウンを目指している。
- - 社名: AZUL Energy株式会社
- - 設立日: 2019年7月11日
- - 代表者: 代表取締役社長 伊藤晃寿
- - 本社所在地: 宮城県仙台市青葉区一番町1-9-1
- - 資本金: 71,600,000円
AZUL Energyは、次世代エネルギーデバイス領域での新たな価値提供を通じて、世界のエネルギー問題に立ち向かうスタートアップとして、今後の成長が期待される。