高知を元気にする移動販売「森尾商店」が本格始動
高知市で新たな取り組みが始まりました。それが「森尾商店」と名付けられた移動販売のプロジェクトです。6月10日、合同会社エクスライドが高知市中万々で初めての販売を開始した際、多くの人々が参加しました。初日から大雨にもかかわらず、来場者が押し寄せ、約400点の生鮮野菜が全て完売するなど、地域の注目を集めているこのプロジェクトの背後には、何があるのでしょうか。
「顔の見える八百屋」の実現
「森尾商店」は、単なる青果販売所ではありません。このプロジェクトは、地元の生産者と消費者を直接つなぐ新たな形の行商を目指しています。生産者が育てた「見えない野菜」を、消費者に直接届けることで、フードロスを減らし、地域経済の循環を生み出す意図があります。これはただ野菜を販売するだけでなく、消費者の反応を目の前で体感し、コミュニケーションを交わしながら販売することにこそ価値があると、プロジェクトの立ち上げ人は考えています。
売れる理由は「つながり」の存在
初出店では、多くの人々が興味を持ち、様々なSNSにその様子を投稿。特に注目を集めたのは、100円の詰め放題ピーマン。見た目やサイズが市場には出回らない野菜たちですが、味には自信があります。顧客の「このピーマン、立派ですね!」という声には、ただの取引を超えた温かい関係が築かれています。移動販売の形式が選ばれたのも、こうした「つながり」を大切にするためなのです。
教育の場としての「エクスライド学校構想」
このプロジェクトには大きなビジョンがあります。それが「エクスライド学校」構想です。この取り組みでは、地域の子どもたちが仕入れから販売、販促までを体験することを通じて、商売を学ぶ機会を提供します。農業の価値を理解し、経済の仕組みを学ぶことで、地域に必要な力を育んでいきたいと考えています。具体的には、農家訪問から始まり、実際に森尾商店での販売体験まで、様々なプログラムが企画されています。
高知の活性化に向けて
「森尾商店」の運営には、多くの人々が関わっています。地域の生産者を大切にし、消費者と直接的なつながりを持つことで、地域社会の活性化を目指しています。その目標は単に商売を超え、地域を元気にし、つながりのある社会を築くことにあります。今後は、リアル店舗の開店や地域と協力した新たな取り組みも計画されています。
高知市での新たな「八百屋」の風景がどのように発展していくのか、期待が高まるばかりです。地域に根ざした「森尾商店」が、どのように人々の生活を支え、未来の子どもたちに何を築いていくのか、その道筋が見えてきました。今後の展開が楽しみです。