コクヨが探るインクルーシブデザインの新境地
コクヨ株式会社は、全国の10代から70代の男女を対象に「インクルーシブデザインに関する生活者意識調査」を実施し、その結果を発表しました。この調査では、インクルーシブデザインに対する一般の理解度と受容性の高さが浮き彫りとなりました。
調査の背景
近年、持続可能な開発目標(SDGs)やダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンへの関心が急速に高まる中で、企業は消費者の多様なニーズに応えるため、製品・サービスの開発においてインクルーシブデザインの視点が重要視されています。コクヨグループでは、2023年から「HOWS DESIGN」という名称のもと、インクルーシブデザインのプロセスを本格的に推進しており、障がい者や社会的バリアを抱える人々の意見を反映したモノづくりを目指しています。
調査結果の概要
調査の結果、注目すべきは以下のポイントです。
1.
認知度と受容性:インクルーシブデザインという言葉を「説明できる」または「なんとなくわかる」と答えたのは11.9%に過ぎませんが、その概念への共感は約7割に達しています。「良い取り組み」と評価する人がほとんどで、社会的な受容の基盤があることが示されました。
2.
日常生活から見えた不満:回答者の半数以上が日常生活において「もっと配慮があれば使いやすくなるのに」と感じており、特に自分や家族が障がい・高齢・介護に関わっている「コア当事者」では、その割合が62.7%に達しました。これは、既存製品が多様なユーザーに最適化されていないことを示しています。
3.
付加価値の創出:インクルーシブデザインの概念を理解している層の約60%が、「通常よりも価格が高くても購入したい」と回答しています。これは、通常のユニバーサルデザインよりも約20%以上高い数字で、製品の背景ストーリーを知ることが購買意欲を引き上げる要因となっています。
4.
世代間の期待の違い:世代ごとに求められる配慮の内容に違いが見られました。30~40代は商品の使いやすさや経済性を重視する傾向があり、70代以上はバリアフリー化や交通手段の改善を求めています。
今後の展望
コクヨが推進するインクルーシブデザインは、もはや個別対応に留まらず、すべての人に使いやすい製品やサービスを提供するための重要なプロセスとして注目されています。2030年までに上市率を50%に引き上げる目標を掲げており、今後の展開に期待が寄せられています。
この調査から見えてきたのは、消費者のインクルーシブデザインへの理解度はまだ発展途上にあるものの、そのコンセプトは高い期待を持たれているということです。これからの製品開発において、企業は多様なユーザーの声をしっかりと反映させていく必要があります。たとえ「インクルーシブデザイン」の認知度がまだ低くても、それに共感し、積極的に取り組もうとする姿勢はすでに多くの人々に根付いているのです。
調査概要
- - 調査テーマ: インクルーシブデザインに関する生活者意識調査
- - 調査方法: インターネット調査
- - 調査期間: 2025年12月4日〜11日
- - 調査対象: 全国の10代から70代以上の男女
- - 有効回答数: 9,894名
このように、コクヨのインクルーシブデザインへの取り組みは、今後の社会においても大きな影響を与えることが期待されます。詳細な取り組みについては公式サイトでも確認できますので、ぜひチェックしてみてください。