Space BDが新たな宇宙ビジネスの可能性を広げる
日本の宇宙産業が新たな展開を迎えています。Space BD株式会社(本社:東京都中央区)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から公募により採択された、宇宙戦略基金事業の技術開発テーマに注目が集まっています。この事業は「高頻度打上げに資するロケット部品・コンポーネント等の開発」であり、Space BDが提案したシステム『TOHRO』(灯籠)がその一環として採用されました。
TOHRO:衛星打上げの新たな扉
本プロジェクトでは、Space BDが持つ市場における広範な知見と、川崎重工業株式会社(本社:東京都港区)が持つ高い設計・製造技術を組み合わせることで、効率的かつ迅速に開発を進めます。新型搭載システムの「TOHRO」は、複数の衛星を同時に送り込むためのロケット間の互換性を持つことが特徴です。
増加する衛星需要への対応
近年、衛星打上げの需要が増加している一方で、海外に依存する状況が続いています。この課題に対処するため、TOHROの開発により、これまでの専用設計から標準化・汎用化へとシフトし、国内のロケットを用いた小型衛星の打上げ機会を拡大します。
TOHROのコンポーネント
TOHROは三つの主要コンポーネントで構成される予定です:
- - 小型衛星搭載アダプタ: ロケット一機あたりの搭載衛星数を最大化するためのアダプタ。
- - 衛星分離機構 (Simple PAF 24M): 低衝撃性かつ高信頼性を実現する分離機構。
- - インターフェースプレート: 1ポートに複数の小型衛星を搭載可能にするプレート。
『TOHRO』に込められた思い
『TOHRO(灯籠)』の名は、日本の情緒を反映したものであり、複数の衛星を安全に運ぶという機能を象徴しています。この名称には、暗い宇宙に光をもたらす人工衛星を一つひとつ人類の手で送り出すという思いが込められています。日本が誇る技術力が、宇宙の未来を照らす存在になることを願っています。
Space BDの強みと役割
Space BDは「宇宙商社®」として約100件の衛星プロジェクトを手掛け、国内外のロケットおよび衛星事業者との調整を行ってきました。この実績を活かし、TOHROは競争力のある製品として開発されます。
コメント:ローンチサービス事業ユニット 長 李 美亜
「TOHROが戦略基金に採択されたことはとても光栄です。私たちは衛星事業者とロケット事業者をつなぎ、今後日本の打上げ能力向上に寄与したいと考えています。川崎重工様と共に、国内ロケットがお選ばれする未来を創り出し、日本の宇宙産業を発展させるために尽力します。」
まとめ
この事業の成功は、日本の宇宙ビジネスに新たな風を吹き込むことでしょう。人類の活動の場が広がる宇宙で、Space BDとJAXAの挑戦が今後どのように展開されるのか、非常に楽しみです。