高山市で春を告げる『5色のひし餅』づくりがスタート
岐阜県高山市の一之宮町では、春の訪れを祝う風習として、遅れたひな祭りの準備が着々と進められています。その中でも特に注目を集めているのが、地域の特産品『5色のひし餅』です。この伝統的な餅づくりは、農家民宿「みづの荘」の水野美代子さんによって行われており、彼女の手によって生み出される色とりどりの餅が多くの人々に親しまれています。
5色のひし餅の由来
『5色のひし餅』は約40年前に地域の有志によって考案されました。地元の特産品を守り続ける活動は、近年では水野さん一人の手に委ねられています。彼女は、餅をつく工程から色付け、カット、真空パックに至るまで、すべての工程を自ら行っています。
この餅は、自然由来の原料で色付けされており、以下の5色で春の訪れを表現しています。
- - 白い『白餅』: 雪を表現
- - 茶色の『きび餅』: 雪解け後の土
- - 緑色の『よもぎ餅』: 若葉の芽生え
- - ピンクの『紅餅』: 花の開花
- - 黄色の『カボチャ餅』: 実りの象徴
これらの餅は、すべて水野さんの自家製の材料を使用して作られ、色合いだけでなく香りも楽しむことができます。
天候の影響と丁寧な手作り
昨年は天候が不順で、特に赤カブの出来が心配された水野さんですが、今年も無事に通常通りの色と味を出すことができたと安堵しています。水野さんは、「こどもが体験で来てくれると元気が出る」と語り、一人での作業も寂しさを感じつつ、地域の人々と一緒に作ることを願っています。また、「みんなにおいしく楽しく食べてほしい」とし、一番おススメの食べ方としてあぶらえを挙げています。
5色のひし餅の販売情報
今シーズンの餅づくりは3月いっぱい続き、約200袋の販売が予定されています。価格は1パック450円(税込)。購入は以下の場所で可能です。
- - 農家民宿みづの荘(0577-53-2707)
- - 飛騨一宮水無神社(4月3日、飛騨生きびな祭の開催時)
- - まるっとプラザ(0577-77-9200)
飛騨生きびな祭と地域の魅力
高山市の一之宮地域は、美しい田園風景が広がっており、分水嶺となる位山を囲む自然の豊かさが特徴的です。また、臥龍桜や巨樹などの自然資源に恵まれ、飛騨一宮水無神社や歴史的な文化資源も沢山存在しています。
『5色のひし餅』は、ただの食べ物ではなく、地域の文化と伝統の象徴でもあります。この春、ぜひ一度その彩り豊かな餅を味わってみてはいかがでしょうか。