能勢電鉄が2025年に運賃を改定、背景と内容を解説

能勢電鉄、2025年1月に運賃改定を実施

はじめに

能勢電鉄株式会社が、2024年9月20日に国土交通省近畿運輸局長宛てに提出した鉄道旅客運賃の改定申請が認可されました。これにより、2025年1月19日から運賃が変更されることが決定し、利用者にとって影響が大きなニュースとなっています。本記事では、改定の理由や具体的な内容を詳しく解説します。

改定の背景

1995年度をピークに、能勢電鉄の輸送人員は減少傾向にあります。沿線の少子高齢化や周辺道路の整備といった要因が影響を及ぼし、近年には新型コロナウイルスの影響も相まって、輸送人員は約54%減少している現状です。コロナ禍による影響は一時的に回復を見せたものの、依然として厳しい環境が続いており、今回の運賃改定は避けられなかったといえます。

能勢電鉄は、これまで運賃水準を約30年間維持してきましたが、近年の電気料金や資材価格の高騰、金利の上昇などにより経営環境がさらに厳しくなっています。これにより、安全維持に必要な設備や車両の更新、およびバリアフリー化の財源確保が難しくなっており、運賃改定を行わざるを得ない状況に至りました。

利用者へのご負担を軽減すべく、社内での業務効率化やサービス向上に向けた取り組みをはじめ、バリアフリー化を進めることも継続して行われるとのことです。

主な改定内容

運賃改定の具体的な内容は以下の通りです。

1. 普通旅客運賃
- 初乗り運賃（2.0km以下）：20円引き上げ
- 2.1km以上の区間：各30円引き上げ

2. 定期旅客運賃
- 通勤定期：割引率を37.5％から34.0％に縮小
- 通学定期：家計負担に配慮して現行金額を据え置き、割引率は59.7％から63.8％に拡大

改定実施日は2025年1月19日で、運賃の詳細については能勢電鉄の公式ウェブサイトでの確認ができます。