がん患者の治療選択事情
2020-07-31 13:00:03

がん患者の治療選択実態と情報ニーズの重要性に迫る調査結果

がん患者の治療選択実態と今後の課題



株式会社コスモ・ピーアールが実施した全国のがん患者を対象にした調査により、治療法の選択に関する意識や行動の実態が明らかになりました。この調査は、がん医療における選択肢の増加に伴い、患者がどのように治療法を決定しているかを探る目的で行われました。

調査対象は、がんを患う300人で、各種がんにかかる患者が含まれています。その結果、約8割の患者が自らの治療法について調査していることが明らかになりました。しかし、その一方で、約3割の患者は「調べても理解できず、医師の推薦に従っている」と答えています。このことから、患者が持つ情報ニーズが充分に満たされていないことが示唆されます。

患者の調査結果の詳細



具体的な調査結果を見ると、「自ら調べた情報を参考にして治療方法を選択した」と回答した患者は51.6%に達しました。一方で、「調べたがよく理解できず、医師の推奨通りにした」とする患者が28.2%、また「調べていなかった」という患者が20.2%にのぼりました。この結果は、多くの患者が自発的に情報を求めるものの、その情報が理解に至るまでには至っていないという現実があることを示しています。

がんの種類によっても患者の理解度に違いが見られ、胃がんの患者では50%が「調べても理解できなかった」と応答しました対し、前立腺がんでは85%、すい臓がんや肝臓がんでは67%、乳がんでは63%の患者が自らの調査結果を参考にして治療法を選択したというデータがあります。これは、各がん種に関連する情報のアクセスや質に偏りがあることを示唆しています。

「自ら学び選択する」医療の時代



現在、がんは不治の病から「共に生きる病」へと認識が変わりつつあります。5年生存率が年々向上している中で、がん患者は医師とともに治療選択肢を決定する「シェアードディシジョンメイキング」の仕組みを求めています。今回の調査結果から、「8割の患者が治療法を自ら調べている」ことが分かり、医療の現場は「与えられる医療」から「自ら学ぶ医療」へとシフトしています。

ただ、調査結果からは、調べた情報を理解できない患者が多いという実態も浮かび上がりました。これは、分かりやすい情報提供がさらに必要であることを示しています。医療機関や製薬企業にとって、患者に対する情報提供の重要性は今後ますます高まることでしょう。

調査概要



本調査は、2020年3月11日から3月16日までインターネット上で行われ、全国のがん・腫瘍罹患者300名を対象にしたものです。対象となるがんは、卵巣がんや乳がん、すい臓がんを含む全10種であり、多様ながんに対する患者の意識と情報ニーズを探りました。調査機関は楽天インサイトであり、主要な製薬企業19社についても触れています。

がん患者の意識と情報ニーズを理解することで、今後の医療提供の質を高め、患者と医師の関係をより強固にし、治療選択のフローを円滑にすることが期待されています。医療の進化とともに、患者一人一人が情報にアクセスし、理解を深めることが必要です。

会社情報

会社名
株式会社コスモ・ピーアール
住所
東京都港区麻布台1丁目8-10麻布偕成ビル
電話番号
03-5561-2911

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