キアゲンが新がん治療薬向けの診断薬承認を取得!個別化治療の発展に寄与
キアゲン、新たなコンパニオン診断薬の承認取得
株式会社キアゲンは、急性骨髄性白血病(AML)患者を対象とするコンパニオン診断薬の製造販売承認を取得いたしました。この診断薬は、IDH1遺伝子に変異を持つ患者向けに開発されたもので、セルヴィエ社製のIDH1阻害剤「ティブソボ」を使用する際に必要です。日本で4つ目のコンパニオン診断薬の承認取得となります。
急性骨髄性白血病(AML)とは、成人の急性白血病の中で最も一般的なタイプで、血液中の骨髄芽球がクローン性に増殖し、造血機能を損なう病気です。これにより、赤血球や白血球、血小板の減少が見られ、結果として貧血や出血、感染症などの症状を引き起こすことがあります。AMLの標準治療は強力化学療法ですが、化学療法に耐えられない患者に対しては、分子標的治療としてIDH1阻害剤が用いられています。
IDH1遺伝子変異は、急性前骨髄球性白血病(APL)を除く日本人AML患者の9.5%に見られることが分かっています。このIDH1遺伝子変異を持つ患者には、セルヴィエ社が開発した「ティブソボ」が新たな治療選択肢として提供されます。しかし、投与の際には、患者のIDH1遺伝子の変異を正確に診断することが不可欠です。
このたび承認を受けた「ipsogenIDH1変異検出キット RGQ」は、リアルタイムPCR技術を用いて、患者の血液または骨髄からIDH1遺伝子の5つの変異(R132C、R132H、R132S、R132G、R132L)を検出します。この検査によって、医師は迅速かつ正確に診断を行い、最適化された治療を提供することが可能になります。
個別化治療の可能性
今回の新薬承認は、精密医療の流れに乗ったシンプルかつ革新的な一歩であり、急性骨髄性白血病に関わる患者にとって、個別化された治療の恩恵を受けるチャンスとなります。今後、キアゲンはさらなる治療法の開発に向けて研究を続ける各社と手を取り合い、より多くの患者にとっての選択肢を広げていくことが期待されています。
さらに、IDH1遺伝子の変異による個別化治療は、他のさまざまな悪性腫瘍にも波及する可能性があり、これにより治療領域が拡大していくことが期待されます。患者一人ひとりに寄り添った治療の提供が実現されることで、より良い治療成績を上げることができるでしょう。
まとめ
キアゲンが開発したipsogenIDH1変異検出キット RGQの承認は、AML患者に新たな希望をもたらすものです。今後も新しい治療法の開展に注目が集まる中、さらなる進展を期待したいものです。
会社情報
- 会社名
-
株式会社キアゲン
- 住所
- 東京語中央区勝どき3-13-1Forefront Tower2
- 電話番号
-
03-6890-7300