大阪ガスがGoogle Cloudと共同で成分推定AIシステムの実証開始

大阪ガスは、製造業向けに新たな成分推定AIシステムの共同実証を開始します。この取り組みは、同社が長年の経験を元に開発したセンシング技術と、Google Cloudによる先端AI技術を融合したものです。これにより、製造プロセスにおける食材や樹脂の水分量、その他の成分変化をリアルタイムで高精度に測定することが可能になります。

従来の水分測定法は、主に熟練者による視覚や触覚に頼るアナログで属人的な方法や、試料を乾燥させてその重量の変化を測定する手法が一般的でした。しかし、これらの手法には時間がかかる上、判断を行う人のスキルに依存するため、計測の精度にバラつきが生じることがありました。このような課題を背景に、今回の共同実証では、最新の近赤外分光分析技術を駆使し、AIを活用してより迅速かつ正確に内容を測定するフレームワークを提供します。

大阪ガスでは、長年にわたり食材や調理に関する様々な観察データを蓄積してきました。この度、大阪ガスの独自センシング技術として開発されたガスセンシング技術や画像解析技術、非接触温度計測技術を組み合わせ、デジタルな手法で数値化、可視化を行う取り組みを進めています。

この成分推定AIシステムにより、食品関連の製造業をはじめ、さまざまな業界に即したソリューションの提供が期待されています。2024年10月からの実証プログラムでは、具体的に近赤外分光分析とGoogle Cloudの機械学習技術を掛け合わせることで、どのように測定値が変わるのかを分析する計画です。

この技術が実用化されると、製造業界における測定プロセスが大きく変わる可能性があり、労力をかけずに素早く正確な情報が得られることで、生産性の向上にも貢献することでしょう。また、幅広い業種にわたるお客さまのニーズに対しても柔軟に対応することが可能になると期待されています。

AIの進化は今後も止まることなく、製造現場でのデジタル化が加速していく中で、このような成分推定AIシステムは製造業の未来において重要な役割を果たすことでしょう。大阪ガスとGoogle Cloudが手を組むことにより、新たなイノベーションが生まれることに期待が寄せられています。