飛騨市の小さな博物館が挑む文化財の3Dデータ化
岐阜県の最北端、飛騨市には「飛騨みやがわ考古民俗館」という特徴的な博物館があります。その特徴は、年間わずか30日間の開館日数。ですが、ここでは文化財や歴史を次の世代に伝えようと、革新に取り組んでいます。これまでの取り組みとして、縄文時代の祈りの道具とされる「石棒」を中心に、地域固有の文化財の3Dデータ化を進めており、今回、さらなる参加者を募り、3Dデータ化合宿を実施します。
小規模ミュージアムの挑戦
「飛騨みやがわ考古民俗館」は、2005年以降、来館者の急減に悩まされてきました。このため、維持運営が大変になり、地域における文化財の価値が見落とされる危機が迫っていました。そこで、市と地域住民が共同で活動する「石棒クラブ」が2019年に設立され、地域外からの訪問者やファンを増やすことを目指しています。その具体的な手段の一つとして、文化財の3Dデータ化を取り入れ、これまでに152モデルを公開、43,000回以上の閲覧数を記録しています。
3Dデータ化合宿の概要
合宿は2025年9月6日から7日にかけて開催され、参加者はさまざまなレベルのプログラムに分けられ、3Dデータ化の実践的学習を行います。特に初心者から上級者までが参加できる内容が用意されており、参加者は石棒や土器のデータ化作業に直接携わることができます。このような取り組みを通じて、参加者は自分の技術を磨くと共に、地域の文化財に関与し、引いては地域の活性化に貢献できる機会となります。
合宿の講師には、公立小松大学次世代考古学研究センターの特任准教授や、路上博物館の館長が名を連ね、専門的な視点からの指導が受けられます。さらに、参加者同士の交流が進むことで、新たな仲間づくりも促進されるでしょう。
データのオープン化と文化遺産の未来
飛騨市の文化財は、著作権の保護対象外であるため、積極的にオープン化が進められています。この取り組みは、地域内外の人々が自由に利用できるよう配慮され、関係人口の形成につながっています。具体的には、博物館での展示撮影や、3DモデルをCC-BYで公開する方針が取られ、文化財の情報を共有する努力が続けられています。
この活動は、仲間づくりのみならず、文化財の有用性向上にも寄与します。文化財を3D化することで、幅広い創造的な表現が可能になり、さらには地域の魅力を全国に伝える助けともなります。
地域への呼びかけ
飛騨みやがわ考古民俗館では、文化財に興味を持ち、地域に貢献したいと思う方を広く募集しています。この合宿に参加することは、ただの学びではなく、未来の文化財保護や地域振興に貢献する大きな一歩となるでしょう。あなたもこのプロジェクトに参加し、飛騨市の独自の文化を未来へ繋げる手助けをしてみませんか?
飛騨市は自然が豊かで、多様な文化資源が揃った地域です。ぜひ、参加して、地域の未来を一緒に築いていきましょう!
詳しい情報や参加申し込みは、
ヒダスケ!サイトをご覧ください。