信州から海へ繋がる学びの旅
一般社団法人海と日本プロジェクトin長野が主催する海洋学習プログラム「信州カツオ調査隊」が、7月30日から8月1日にかけて開催されました。このイベントは、長野県内の小学5、6年生20人を対象に、海と森のつながりを学び、漁業や環境問題について理解を深めることを目的としています。
プログラムの概要
このプログラムは、ユネスコの「無形文化遺産」にも認定された和食に欠かせないカツオをテーマにしています。子どもたちは、長野県伊那市や静岡県焼津市、御前崎市を訪れ、林業と漁業の現状、そして気候変動について学ぶ機会を得ました。環境を守るため、将来につながるメッセージを考えることが目的です。
森から海へ、リレーのスタート
初日、子どもたちは伊那市で結団式を行い、自分の意気込みを発表しました。続いて、学校外での交流を通じて林業体験を行います。70年のアカマツの伐採を見学した後、枝払いと薪割りに挑戦。初めての体験に苦労しながらも、力を合わせて行いました。
このプログラムの重要なミッションは、薪を鰹節の生産者に届けることです。薪は焼津の鰹節生産に欠かせないもので、児童たちは自らの手で割った薪を、「森から海へのリレー」のバトンとして受け取ります。
鰹節づくりの学び
2日目は、焼津で鰹節の製造過程を学び、実際に冷凍カツオを目の前にする貴重な経験をしました。その後、鰹節の香りが漂う工場を訪れ、工程の説明を受けました。カツオを燻す際に使用する長野県産の薪が生産にどう貢献しているのかも学びました。
さらに、鰹節を削る体験や、藁焼きの調理法を体得。子どもたちは、その美味しさに驚きつつ、伝統的な調理法にも触れました。
カツオ漁と競りの学び
3日目、御前崎港ではカツオ漁の実態を学ぶために早起きで出発。漁協の方からお話を伺い、カツオ漁の重要性と気候変動による影響について意見を交換しました。実際の競りの様子も見学し、魚が食卓に届く過程の一端を理解しました。
総合学習発表会
最終日には、3日間の学びを振り返る総合学習発表会を実施。子どもたちは、自身の学びや思ったことを発表し、環境意識の向上を示しました。イベントに参加した彼らの感想は、その経験がいかに意義深いものであったかを伝えています。
このプログラムを通じて、参加した児童たちは仲間とともに海と森のつながりの重要性を学び、将来的な環境問題解決に貢献する意識を育てました。
海と日本財団の取り組みは、次世代を担う若者たちに「海を愛する心」を育て、環境保護活動へと繋げる力を提供しています。この探求をきっかけとして、子どもたちが自らの行動に変化をもたらすことが期待されています。