クラフツが経費承認をAI化 92年の歴史を持つパッケージメーカーの未来

クラフツが経費承認をAI化

創業92年の老舗パッケージメーカー、クラフツ株式会社がその経理業務をAIで効率化しました。この導入は、経理担当者の業務負担を軽減し、確かな効果を生み出しています。今回はその詳細に迫ります。

経理部門の課題

クラフツ株式会社は、グループ全体で840名を超える従業員を抱える企業です。しかし、経理部門は特に月末の経費承認作業に苦しんでいました。この作業は、500〜600件の経費申請が集中し、その処理に多くの時間と労力がかかっていました。

経費の承認作業と同時に月次決算業務を進める必要があり、状況は厳しいものでした。もし不備があれば、それを解消するための労力も加わり、承認業務全体にかかる工数が嵩んでいたのです。これを何とか解決するために、クラフツは前向きな一歩を踏み出しました。

TOKIUMの選定理由

経費AIエージェント「TOKIUM」は、申請された経費の内容や証憑を自動で精査し、一次承認や差し戻しを代行する機能を持っています。そのため、経理部門の負担が軽くなることが期待されました。実際、経理担当者が承認や差し戻し作業に費やす時間が大幅に削減されることに加え、従来のシステムに比べて導入工数やコストを抑えられる点も評価されたのです。

導入の効果

「TOKIUM」を導入した結果、クラフツの経理部門は毎月16時間かけていた承認作業をわずか2時間で完了できるようになりました。年間で約170時間もの工数削減が見込まれ、経理部門全体の生産性も飛躍的に向上しています。また、AIが差し戻し作業を担当することにより、申請者とのコミュニケーションも効率化されました。

今後もクラフツの経理部門ではAIへの教育やルールを確立していく必要がありますが、すでに効果を実感しているという声が上がっています。経理部門の部長である石黒博義氏は、今後もTOKIUMを活用し、企業の成長を支える戦略的な経理部門を目指す意向を示しています。