風力推進船の新時代到来! 世界初のLNG運搬船の設計承認
株式会社商船三井は、韓国のHanwha Oceanと共同開発しているウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を搭載した新型LNG運搬船の基本設計承認(AiP)を、日本海事協会から受けました。この承認は、風力補助推進システムを備えたLNG運搬船としては世界初のものであり、海運業界において画期的な出来事となります。
風力推進技術の革新
ウインドチャレンジャーは、航行時の風の力を利用することで、燃料消費を削減することが期待されています。具体的には、2基のウインドチャレンジャーを搭載し、全長約286メートル・幅約46メートルの船体を持ち、貨物槽の容積は約174,000立方メートルです。これにより、各地のLNG基地へのアクセスが可能で、汎用性の高い運搬船を実現しています。
設計プロセスと評価
商船三井は、日本海事協会、Hanwha Oceanと協力し、リスクアセスメントを実施しました。この中では、帆の配置や視界への影響、非常時の操作法、安全対策などが総合的に評価され、AiPの取得に至りました。また、貨物槽デザインを担うGTTによる帆搭載の影響評価も重要な役割を果たしました。
環境への使命
商船三井グループは、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」を掲げており、2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目指しています。そのため、ウインドチャレンジャー搭載船を2030年までに25隻、2035年までには80隻投入する計画を立てており、持続可能な海運の実現に向けた取り組みを強化しています。
未来に向けて
風力推進技術は、商船三井のGHG排出削減に寄与するだけでなく、社会全体の低炭素化にも大きく貢献します。新技術の導入により、環境対応船隊の安全な管理と効率的な運航を行い、持続可能な未来を目指すこのプロジェクトは、国際的にも注目されることでしょう。
商船三井が掲げる環境ビジョンは、海運業界全体においても重要なメッセージとなっており、この新たな航海の始まりに期待が集まっています。
今後の展開に注目し、持続可能な運搬技術の進化を見守りたいと思います。