井上石灰工業、中国に合弁会社を設立
井上石灰工業株式会社は、2025年に新たに合弁会社『青島華綺井上新材料有限公司』を設立することを発表しました。これは、中国の青島華綺新材科技有限公司との協力のもと、長年培った技術力を活かし、高付加価値製品を供給することを目的としています。
合弁会社設立の背景
中国は14億を超える人口を有し、自動車生産で世界一を誇る国です。この大きな市場において、ゴム材料を含む多様な産業が急成長を遂げています。井上石灰工業は2018年から青島華綺を正規代理店として活用し、中国市場への進出を進めてきました。8年にわたる協力関係の中で、井上石灰工業の高い技術力と青島華綺の市場ニーズへの理解を融合させることで、新たな成長の機会を得ると確信し、この合弁が実現しました。
合弁会社では、現地生産によるコストの低減を図ることで、競争力を高めることが可能となります。また、粉末状の原材料をマスターバッチ化することで、製造現場の環境改善にも寄与することを目指しています。
合弁会社の概要
この合弁会社は“中国青島市即墨区環秀街道”に位置し、主に高活性酸化亜鉛やゴム用プレディスパージョンマスターバッチの製造を行います。資本金は1億円で、出資比率は青島華綺が60%、井上石灰工業が40%です。稼働は2025年10月下旬からを予定しており、初期の生産能力は5,000トン/年を見込んでいます。
両社代表からのコメント
合弁会社設立に際し、青島華綺新材科技有限公司の魏星総経理は、井上石灰工業が長い歴史の中で築いてきた信頼性と技術力が、共に未来を切り開く基盤となると語りました。この合弁を通じて、品質管理基準を守りつつ、技術革新への投資を続け、目標としては3年以内に高活性酸化亜鉛の月間販売目標を400トンに設定しています。
井上石灰工業の井上孝志社長も、日本市場に精通する自社と、中国市場の知識を持つ青島華綺が手を組むことで大きなシナジーを生むと確信しています。両社の取引関係が信頼の絆を築き、共に新たな未来を開く第一歩となることを願っています。
会社概要
青島華綺新材科技有限公司
- - 設立:2022年
- - 所在地:中国山東省青島市
- - 事業内容:化学材料の生産及び販売
井上石灰工業株式会社
- - 設立:1960年
- - 所在地:高知県南国市
- - 事業内容:多様な石灰製品の製造及び販売
新たな合弁会社に期待が寄せられる中、両社は競争力のある製品を中国市場及び東南アジア市場に提供し、業界に新たな価値をもたらすことでしょう。