NPO法人eboardの新プロジェクト「やさしい字幕」
2020年の春、全国的な学校の休校が続く中、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの子どもたちが学習機会を奪われました。この状況に対処すべく、NPO法人eboardは全国300万人以上にICT教材を届けましたが、聴覚障がいや外国語支援が求められる子どもたちに向けたオンライン教材の不足が明らかになりました。
その結果、eboardは秋に「やさしい字幕」プロジェクトを立ち上げ、約1,600本の映像授業に字幕を追加する取り組みを開始しました。この「やさしい字幕」は、教材の利用を促進する重要な要素です。
やさしい字幕の特徴
「やさしい字幕」は、字幕の表示方法を見直し、情報を簡潔に表現することで学習の敷居を下げることを目指しています。
- - 表示量の調整:視覚的に過度に負担をかけず、子どもたちが内容を理解しやすいように工夫されています。
- - 言葉の簡素化:難解な表現を避け、分かりやすい日本語に書き換えることで、言語に不安がある子どもたちの理解をサポートします。
これに加え、外国語字幕の精度も向上し、多文化背景を持つ子どもたちへの支援も期待されています。
ボランティア参加と協力者の役割
このプロジェクトには、16の企業や団体、そして個人のボランティアを含む1,000名以上の方々が参加しています。このような大規模な協力体制により、2021年夏には「やさしい字幕」付きの約1,600本の映像を公開するに至りました。この教材は、義務教育課程において字幕を通じた学びの機会を提供する国内初の取り組みです。
実証事業の実施
実証事業は2021年4月より、東京都立大塚ろう学校をはじめ、様々な教育機関と連携して進めています。具体的には、「きこえの教室」や「手話でいきる子どもの『あ〜とん塾』」、さらに特別支援教育に特化した教育士を持つ教員団体などが協力しています。
このプロジェクトは、株式会社セールスフォース・ドットコムからの支援を受け、コロナの影響が広がる中で教育支援事業としての展開を目指しています。
今後の展開
NPO法人eboardは、夏に公開した約1,600本の「やさしい字幕」に続き、小学校低学年向けタイトルにも字幕を追加していく予定です。現在、オンラインでボランティアとして協力してくださる企業や団体を約300名募集しています。
この取り組みに興味がある方は、eboardの公式ウェブサイトやメールにて詳細をお問い合わせください。今後、さらに多くの子どもたちが「やさしい字幕」を通じて学べる環境が整うことを、心より祈っています。