田中貴金属工業が新たなプローブピン用ロジウム材料を発表
半導体産業に革命をもたらす新材料、田中貴金属工業株式会社の「TK-SR」がついにお披露目されました。この新しいロジウム材料は、特に半導体パッケージ製造の前工程において、プローブカード用のプローブピンとしての性能を大幅に向上させることが期待されています。2025年11月に福岡県で開催される「SWTest Asia 2025」にて初めてのサンプル提供が行われる予定です。
TK-SRの特長と利点
この新製品は、従来のプローブピン材料では実現不可能だった高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を兼ね備えています。具体的には、以下のような特長が挙げられます。
- - 高強度: プローブピンは、繰り返し荷重に対して優れた耐久性を持ち、長期間使用しても変形や破損のリスクを軽減。
- - 高弾性限: 一定の荷重をかけた際に元の形状に戻る能力が高く、数百万回にわたる通電検査でも性能を維持。
- - 高硬度: 優れた硬さにより、長期間にわたって安定した性能を発揮。
- - 高導電率: 従来の材料では見られなかった高い導電能力により、検査の精度が向上。
半導体市場への影響
田中貴金属工業は、2030年までにこのTK-SRの出荷量を既存製品の2倍にすることを目標にしています。プローブカードは半導体の前工程でシリコンウェーハをテストするために不可欠な道具です。一枚のカードに数千から数万本のプローブピンが使用されるため、その性能向上は半導体製造全体に大きな影響を及ぼすでしょう。この新しい材料を使用することで、プローブピンの交換が減り、全体のコスト削減と効率化が期待されています。
実地試験と市場評価
プローブ用ロジウム材料の性能は、特に半導体テストの精度を直接左右します。TK-SRの登場により、微小な荷重下でも変形や破損のリスクが大幅に低下しました。これにより、製造ラインの保守費用やダウンタイムを削減し、製造効率を向上させる好循環が生まれると考えられています。
出展情報
田中貴金属工業は、SWTest Asia 2025において、ブース番号506で本製品の展示を行います。具体的な展示内容としては、「TK-SR」を含む各種プローブピン用材料が紹介されます。興味を持たれる方は、ぜひブースに足を運んで、新材料の実物を確認してみてください。
会社情報と今後の展望
田中貴金属工業は1885年に創業以来、国内外で貴金属に関する事業を展開し、業界のリーダーとしての地位を確立しています。2024年度の売上高は8469億円を予測し、5000人以上の従業員が在籍しています。今後も、ますます成長が期待される半導体市場に向けて、より良い製品とサービスの提供を続けていくことでしょう。この新しい「TK-SR」を通じて、半導体業界の発展に貢献する姿勢は、今後も変わらないでしょう。