新たな切削加工革命!国内で「Toolyzer」販売開始
愛知県名古屋市を拠点とする株式会社データ・デザインが、ドイツのTetralytix社によって開発された切削解析ソフト「Toolyzer」の国内販売を、2024年2月5日から開始することを発表しました。この新ソフトは、工具刃先の形状に基づいた切削解析を行い、製造業における革新的なソリューションを提供します。
データ・デザインは「3D技術によるものづくりプロセスの革新」を事業戦略としており、このToolyzerはその目玉として位置づけられています。切削加工はマシン、工具、加工データによって構成され、加工素材に工具形状を正確に転写することが求められます。Toolyzerによって実現されるデジタルツイン解析は、新しいマシニングプロセスの開発に寄与し、カーボンニュートラルに向けた取り組みを後押しします。
Toolyzerの素晴らしさ
このソフトウェアは、ドイツ工科大学連合のメンバーであるハノーファ大学の研究者によって設立されたTetralytix社から生まれました。数々の切削工学プロジェクトを通じて育まれたToolyzerは、独自のアルゴリズムを用いることで、従来の有限要素法(FEM)よりもはるかに高速に切削状況をシミュレーションできます。これにより、従来数日を要していた解析がわずか数十分で完了することが可能となります。
Toolyzerの運動学的シミュレーションと刃先の応力解析が組み合わさることで、特に複雑な三次元形状を加工するためのNCプログラムや、ギア加工における刃切り、スカイビング工具など特別な工具の解析にも対応可能。これにより、切削効率や精度を高めるための新しいアプローチが提供されます。
環境に優しい取り組み
Toolyzerの導入は、特にカーボンニュートラルを目指すグローバル企業の間で進んでおり、現在では多くの切削工具メーカーや製造業者に利用されています。EV化や高効率なガスタービン製造といった最新の変革において、Toolyzerは非常に重要な役割を果たすことが期待されています。これらの技術革新は、従来の製造法を刷新し、持続可能な未来へと向かう重要な一歩と言えます。
利用料金と今後の展望
Toolyzerのライセンス形態は、初期投資を抑えながら常に最新機能を利用できるサブスクリプション方式を採用しています。年間使用料は380万円(税抜)で、複数台のPCでの使用が可能なフローティングライセンスが提供されています。今後は、旋削加工への対応や、切削条件の最適化モジュールなどの機能追加が予定されており、初年度で50ライセンス、次年度以降には200ライセンス以上の拡大が見込まれています。
特徴的な機能
- - スローアウェイ工具における干渉解析: 複雑な工具設計を行う際に、スパイラルスロープ角度を仮想空間で高速に検証できる機能。
- - 刃先形状の最適化: 高速で仮想空間上における設計結果を分析し、電力消費を軽減できる刃先形状を設計可能。
- - スカイビング工具の最適条件算出: EV化等に対応するため、最大回転数を短時間で算出できる機能も備えています。
このように、Toolyzerは切削加工の未来を切り拓くための強力なツールとなるでしょう。